平成152003)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

15−共研−2021

専門分類

5

研究課題名

不完全情報下における制御系設計に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ミヤサト ヨシヒコ

宮里 義彦

ローマ字

Miyasato Yoshihiko                          

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

20 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

自動制御系の設計にあたっては、構築するモデルの種類や精度により、適用可能な制御手法の種
類や達成できる性能が規定される。この十数年ほど、制御科学の分野でその問題に対して多くの関
心が集まり、さまざまな研究成果が得られた。中でもH∞制御に代表されるロバスト制御理論の成
果は、モデル誤差と制御系の安定性や制御性能との関係を厳密に規定した点で、制御科学の発展に
多大の貢献をしたが、同時に制御系設計を考慮したモデリング手法の開発という新たな課題ももた
らした。またバックステッピングやフォワーディングなどの手法は、厳密な線形化に代わる非線形
制御または適応制御の新たな手法として広く適用できることが明らかになりつつあるが、それと同
時に、これまで以上の精度での非線形構造の同定という問題も生み出した。制御におけるモデリン
グとは、それ自身が問題の終端ではなく、それをもとに構成された制御系の総合性能を規定する一
要素としての意味合いを持つ。それに由来して、制御とモデリングを含めた統合化設計(逐次設計、
ウィンドサーファ・アルゴリズム、同時設計)が数多く提唱されているが、制御に必要なモデリン
グとそれに含まれる誤差の厳密な解析という問題が未解決のため、大きな成果は得られていない。
 このような制御科学の新たな局面を見据えながら、これまで以上に緊密な関係にあるモデリング
と制御系設計の問題に対して、統計科学と制御科学の分野で得られた成果をもとに、制御系の新た
な統合化設計理論を構築するのが本共同研究の目的である。ロバスト制御を考慮したロバスト同
定、モデリングと制御系設計を逐次的に行うウィンドサーファ・アルゴリズム、非線形構造を積極
的に取り入れたバックステッピングやフォワーディングに基づく非線形適応制御、逆最適制御理論
と非線形素子を併用した知能化適応制御、統計的学習理論を応用したシステム同定と確率的適応制
御などの問題に対して、これまでの研究では無かった制御科学と融合した統計科学の視点を含める
ことにより、当該問題の解決のための新たなブレイクスルーを追求していく。
 今年度は研究所内で研究集会は開催しなかったが、各種学会、シンポジウムにおける以下の研究
発表を通じて、研究討論を行った(○は共同研究員)。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

学会講演会名:(社)計測自動制御学会・制御部門大会(2003年5月)
研究発表
H2レベルコントローラ集合を用いた混合H2/H∞制御系設計
九州工業大学 上 泰,○延山英沢
ハイブリッド型適応機構を用いたロボットマニピュレータの反復学習制御
統計数理研究所 ○宮里義彦
三角多項式を用いたパラメータ依存行列不等式の解法とその応用
大阪大学 佐々木康朗,○小原敦美
学会講演会名:計測自動制御学会・制御理論シンポジウム(2003年11月)
研究発表
適応観測器を用いた連続時間モデル同定:不均一サンプリングの場合
徳島大学 ○池田建司,最上義夫,下村隆夫

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

足立 修一

宇都宮大学

荒畑 恵美子

統計数理研究所

池田 建司

徳島大学

石黒 真木夫

統計数理研究所

伊藤 聡

統計数理研究所

大久保 重範

山形大学

小原 敦美

大阪大学

北川 源四郎

統計数理研究所

北森 俊行

法政大学

新 誠一

東京大学

陶山 貢一

東京商船大学

瀬部 昇

九州工業大学

田村 義保

統計数理研究所

津村 幸治

東京大学

中野 和司

東京電気通信大学

延山 英沢

九州工業大学

半場 滋              

琉球大学

樋口 知之

統計数理研究所

和田 清

九州大学