昭和601985)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

60−共研−53

専門分類

1

研究課題名

多くの母数の同時推定における修正最尤推定量の性能

フリガナ

代表者氏名

ヤナギモト タケミ

柳本 武美

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

現象を細かくみるとモデルに数多くの母数を必要とする。もし多くの母数が適切に推定できるとすれば,少ない母数を仮定したモデルより有効になる。近年条件付尤度あるいは周辺尤度に基づいた最尤推定量が従前考えられていたよりよい振舞いをすることが分ってきた。
複雑で一般的なモデルでは,理論的に扱うより,プリンシプルを明確にすると共に,簡単なモデルを解析的に,実際的なモデルをシミュレーションによって調べることが有効である。


既提出の実施計画に従って3つの項目について研究を行った。
多数の二項モデルの出現確率の推定についてシミュレーションを行った。事前分布を仮定してその周辺尤度を最大にするよう事前分布の母数を定める方法が期待通りにうまく働くことを確かめた。また文献サーベイによって見いだされた既存の方法との比較についてもシミュレーションを行った。
ガンマ分布の形状母数の条件は最尤推定量,無条件最尤推定量の効率の良い計算方法を調べた。手法はNewton−Raphson法をベースにして初期値の推定と変数変換の検討を行った。元来尤度方程式の性質が良いが簡単な計算で近似解が得られることを目指した。
以上の2項目は柳本が学生アルバイターの協力を得て遂行した。岡崎は田中を研究所に招き,シラ染質の拡散について従来からの共同研究を一層進歩させた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Yanagimoto,T.A notion of obstructive vesidual likelihood.Research Memo.305(Ann.Inst.Ltatist.Marh.に投稿中)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

毒性試験で用いられるベータ・二項モデルは事前分布としてコンジュゲート分布を仮定しているので,周辺分布が陽に表現される。従って多くの2項分布の出現確率の同時推定量が最大周辺尤度法を通して得られることが期待される。この方法は正規近似をする従前の方法より性能が良いと思われる。
寿命分布の1つであるガンマ分布の形の母数を推定するためには最大条件付尤度推定量が従前の方法に比べて性能が良いと考えられるようになった。特に共通の形の母数を持ち,未知の尺度母数を多くもつ場合にその傾向が著しいと予想される。
以上の2つの推定量についてコンジェクチャーがシミュレーションによって確かめられるかを調べる。岡崎は田中と共に汚染質の拡散のシミュレーションを企画する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

岡崎 卓

統計数理研究所

田中 航二

大阪商業大学