平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−29

専門分類

3

研究課題名

非線形現象のシステム設計と予測解析の確率過程論的研究

フリガナ

代表者氏名

オカベ ヤスノリ

岡部 靖憲

ローマ字

所属機関

東京大学

所属部局

大学院工学系研究科

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

非線型現象の複雑系としての天文・気象データ,経済時系列データ,医学データに対して,KM2O-ランジュヴァン方程式論による時系列解析を適用することによって,その奥に潜む非線型な構造を探るモデリングの問題を研究する。そのあとで時系列データの将来を非線型的に予測する。


KM2O-ランジュヴァン方程式論に基づく時系列解析を理論と実証分析において行った。
定常性の検定の実験を通じて、有限個(N+1個)のデータからなる時系列に対して、(1,N)-定常性の概念が必要であり又大切であることを認識し、(1,N)-定常性をもつ確率過程を代数的に扱う(1,N)-定常流の理論を構成した。それによって、(1,N)-定常性は揺動散逸定理と完全に等価であることが分った。
実証分析においては、昨年度扱ったDNA塩基配列の因果解析と年象データの非線形予測解析を行った。共同研究者を含めて3月7日から3月8日にかけて、統計数理研究所において、「非線形現象のシステム設計と予測解析の確率過程論的研究」の題で研究集会を行った。質疑応答の中から、DNA塩基配列に対する研究姿勢とKM2O-ランジュヴァン方程式論に流れる哲学である揺動散逸原理の“不一致”を指摘されたが、データ解析における実験数学の大切さと困難さを再認識し、KM2O-ランジュヴァン方程式論に基づく時系列解析の実践を強く感じた。その意味で、上記の研究会は大変意義深いものであり、次年度に向けての研究課題が整備された。
〔研究会の場合 開催期間:1996年3月7日〜3月8日 開催場所:統計数理研究所〕


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Okabe.Y and T.Ootsuka; Application of the theory of KM2O-Langeven eqvations to the non-linear prediction problem for the one-dimensional strictly stationary time seues, J.Matl.Soc.Japan,47(1995),349-367

(1)Okabe.Y; 確率過程論からみたカオス,第4回複雑系札幌シンポジウム,1996年2月16日
(2)Okabe.Y; KM2O-ランジュヴァン方程式論と時系列解析,統計数理研究所研究会,1996年3月7日
(3)Okabe.Y; KM2O-ランジュヴァン方程式論と揺動散逸原理,国際高等研究所研究会(ゆらぎ解析),1996年3月17日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

中性子星からのパルサー,マネサプライを中心にした経済データ,DNAの塩基配列を扱う。パルサーに対しては,定常性の有無と中性子星の爆発との関連を調べ,エントロピー解析によって,ダイナミクスを探求する。経済時系列に対しては,定常解析・因果解析を行い,それらの間の因果関係の有無・方向を調べる。DNA塩基配列に対しては,符号化の問題と関連させて,有限体上のKM2O-ランジュヴァン方程式論を展開し,塩基配列のダイナミクスの探求と予測を行う。KM2O-ランジュヴァン方程式論を支える揺動散逸定理とそれを哲学として昇華させた揺動散逸原理を,昨年より共同研究者を強化にして,統計数理研究所で開発され展開されているAICとの関連から調べ,実践的にも発展させたい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊藤 栄明

統計数理研究所

金子 明人

北海道大学大学院

木方 行郎

石原産業株式会社

四方 義啓

名城大学

清水 良一

統計数理研究所