平成152003)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

15−共研−1011

専門分類

5

研究課題名

複雑系の相転移の数値的研究

フリガナ

代表者氏名

オノ イクオ

小野 いく郎

ローマ字

Ono Ikuo

所属機関

日本女子大学

所属部局

理学部

職  名

教授

所在地

TEL

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研究目的と成果(経過)の概要

計画を1部改め「反強誘電性液晶の秩序相と相転移」の研究を主に行った。
棒状分子が電気双極子を持っているときの分子配列と
双極子の配向のモンテカルロシミュレーションを
行った。特にSm相では、実験的に強誘電相または
反強誘電相が見出されているので、双極子相互作用
によるこれらの相の実現可能性を調べた。Sm相では
分子の長軸が平行にそろっているので、分子軸に垂直
な双極子による配向の可能性がある。しかし低温でも
配向は起こらないことがわかった。
 短冊形の液晶分子の相転移について調べた。剛体相互作用を
仮定し、液晶相転移を調べた。球を5×2個ならべ、短冊形
分子とした。分子濃度を変えてシミュレーションを行い、
等方液体相,ネマチック相,スメクチック相、2軸性スメクチック相
が、現れることを確認した。
1次相転移における非平衡緩和:
有限温度におけるポッツ模型を、ある秩序状態から別の秩序状態へと緩和させる
シミュレーションを行った。
1次相転移における非平衡緩和法のモンテカルロシミュレーションの方法を開発した。
Mixed Phase Initializationによってヒステリシスを回避し,相転移点を正しく求めることが
できると確認できた。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Ikuo ONO,Katsumi KASONO.Investigation on the Sm phase of polarized rod-like molecules by
numerical simulations.9th International Conference on Ferroelectric Liquid Crystal.
(FLC2003),Trinity College,Dublin(2003)
Yukiyasu Ozeki,Katsumi Kasono,Nobuyasu Ito and Seiji Miyashita.
Nonequilibrium relaxation analysis for first-order phase transitions.
Physica A Volume 321,271-279,(2003)
加園,小野.棒状分子のSm相における双極子配向のシミュレーション.日本物理学会(於:岡山大学)
(2003)
小野,加園.棒状分子のSm相における双極子配向のシミュレーション.日本液晶学会討論会
(於:青森市文化会館)(2003)
小野,加園.短冊型分子の液晶相転移のシミュレーション.日本物理学会(於:九州大学)(2003)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

加園 克己

東京慈恵会医科大学

田村 義保

統計数理研究所