昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−96

専門分類

9

研究課題名

住環境ストレスの尺度構成法に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ヤマウチ コウタロウ

山内 宏太郎

ローマ字

所属機関

白百合女子大学

所属部局

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

住環境の物理的・自然的条件,社会的条件の中には個人に不安や困難をもたらすものがある。特に,閉鎖性をその特徴とした都市型住宅は,居住者にこれまでなかった問題をもたらしている。このようなトラブル・イベントによる生活の妨害は,心理的ストレスとなって居住者にさまざまな影響を与えていると考えられる。本研究では,このような住環境ストレス測定のための尺度の構成を通して,今日における住環境の設計の資料とする。


本研究では,1980年度から1986年度にかけてすでに実施した「住環境ストレスと精神健康に関する研究」のデータ(N=2,000)を使用して,心理的住評価としての住環境ストレスの尺度構成に必要とされるデータの編集と基本的な統計的分析が行われた。なお,結果的に得られた有効データ数は,1,375件であった。
1.既存データの調査項目の中から,ストレス尺度構成に必要とされる調査項目の選定が行われた。選定された調査項目は,「住居特性」「居住者の個人属性」「生活構造」「生活意識」「住意識」「住評価」「健康感および心身の自覚症状」そして「住環境に関するトラブル・イベント」等,である。
2.選定された1の調査項目のうち,必要とされる項目に関して,再コード化の作業が行われた。
3.住環境ストレス・トラブル・イベント100項目に関する基本的分析として,各トラブル・イベントの平均値と分散,度数分布および100項目間の相関係数等が算出された。
4.住環境ストレス・トラブル・イベント100項目と「住居特性」「個人的属性」「生活構造」「生活意識」「住意識」「住評価」「健康感,および,心身健康度」に関する各項目との間のクロス集計が行われた。
5.これらのデータの基本的な統計結果を基にして,住環境ストレス尺度構成のための多変量解析に使用されるトラブル・イベントが選定された。
引続き,住環境ストレス尺度の構成のための多変量解析および尺度の信頼性に関する調査・解析を行う予定である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

われわれがすでに実施した「住環境ストレスと精神健康に関する研究」(1980−1986)において,物理的住条件と居住者の心身健康状態との関係を,心理的住環境評価の指標としての「住環境ストレス度」を介在させて解明することに一応の成果をおさめた。
本研究では,そこで用いられた住環境のトラブル・イベント100項目に関するデータ(2000件)を使用し,汎用性のある住環境ストレス尺度の構成を行う。また,尺度の信頼性検討のための測定をおこなう。
上述の目的を達成するためには,尺度構成に関する専門的知識と統計的データ解析とに負うところが大きい。
なお,住環境ストレス尺度構成後,住環境ストレスと心身健康との関係を,居住者の生活構造要因を含めて解析する予定でおり,継続研究を希望している。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

水野 欽司

大学入試センター

渡辺 圭子

建築研究所