平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−66

専門分類

7

研究課題名

長寿因子抽出の世代間調査とその解析

フリガナ

代表者氏名

サカタ トシイエ

坂田 利家

ローマ字

所属機関

大分医科大学

所属部局

医学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

13 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本邦は世界第一位の長寿国になれたこともあって、高齢化が急速に進行している。健康な状態で長寿を全うすることができるよう、医学、社会学、推計学などの側面からその決定及び修飾因子を抽出解明する。新たに開発した推計学的方法を用い、世代間にわたる遺伝的要因を含めた解析も行う。


近年日本人の平均寿命が飛躍的に延びてきた。我々はこの長寿社会における長寿因子の抽出をめざして、大分県大野郡緒方町で世代間調査とその解析を企図した。
緒方町は大分県の西部に位置し、人工7千人の町であり、人工の流動もなく、主に農業を行っている町である。この地には町立病院があり、我々と良好な協力関係にある。住民は高齢者が多く、さらに親子2代、あるいは3代にわたって同居している家族が多いので、このような研究には最適の地域である。
大分医科大学から第一内科坂田利家教授他、統計数理研究所より駒澤勉企画調整主幹、九州大学より小西貞則教授、緒方町立病院長野田健治博士、同内科部長小野英伸医師、津久見中央病院長織部安裕博士、大分県成人病センター国広潔博士、さらに大分医科大学第一内科秋好久美子医師の参加協力をえて計画書の作成に着手した。
平成6年度は合計12回にわたって、糖尿病・肥満・代謝、循環器、内分泌、脂質代謝等の各内科領域の上記専門家に集まってもらい検討会を重ねた。平成6年末に、その結果が「緒方町長寿スタディー(OLS)」という15頁にわたる冊子としてまとまった。
調査項目は、身体計測に始まり、同居家族、家族歴、生活歴、身体状況、疾病の有無、治療の有無、血液検査、食事内容、趣味、など多岐にわたる。これらを定期的に調査し、データを蓄積して、世代間にわたる長寿因子を抽出する事を目的としている。
平成7年4月からは、いよいよこの実地調査を開始する予定である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

坂田利家他12名 長寿因子抽出とその世代間調査:多因子解析について 厚生省特定疾患:肥満の疫学調査研究班 平成六年度研究報告書.

坂田利家他12名 長寿因子抽出とその世代間調査:多因子解析について

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

高齢化が進み住民移動の乏しい人口約8千人の緒方町(大分県)を対象地区にする。年齢50才以上の町民(約4千人)を対象に現在の健康状態、職業、嗜好、食生活、運動状況、趣味、いきがい、家族構成、既往歴などについてアンケート調査、それに血液検査を含めた身体検査を実施する。なかでも動脈硬化の危険因子であり遺伝的に規定されているLp(a)と、動脈硬化と加齢とに関連するDHEA(dehydroepiandrosterone)のパラメーターに注目する。従来、国内外を問わず世代間にまたがる疫学調査の解析報告は皆無である。今回は同一家族内での世代間調査を行い、これを共同研究者の小西が開発した推計学的解析法を用いて解析する。環境と遺伝的な長寿因子を抽出する、これを最終目標にしたい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

桶田 俊光

大分医科大学

小野 英伸

緒方町国保総合病院

織部 安裕

津久見中央病院

黒川 衛

大分医科大学

小西 貞則

九州大学

駒澤 勉

統計数理研究所

犀川 哲典

大分医科大学

佐藤 靖史

東北大学

高倉 健

大分医科大学

野田 健治

緒方町国保総合病院

堀田 正一

大分医科大学

吉松 博信

大分医科大学