平成302018)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

30−共研−4103

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

7

研究課題名

統計学を用いた検定策定に関する研究-諸外国との比較-

重点テーマ

データサイエンス人材育成メソッドの新展開

フリガナ

代表者氏名

タナカ マサトシ

田中 正敏

ローマ字

Tanaka Masatoshi

所属機関

松本大学

所属部局

総合経営学部・総合経営学科

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

43千円

研究参加者数

2 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

 本研究の目的は,初等教育における統計学をどのように指導する必要があるかを調査する.
 平成29年度からこのプロジェクトが始まり,二年目で,最終年度である.本年度も文科系の学生を対象に「統計学」を理解する手法について,もう1つは,統計学の教育において,国際間に違いがあるのかという問題である.
 1つの課題である統計学の理解度のために,我々は文科系の大学1年生(松本大学総合経営学部の学生(総数80名))を対象に,「統計学」を理解させることである.昨年と同様ほぼ同じ結果が得た.
 まず,母数として大学1年生(ゼミ生(25名))を対象としていて,視覚情報を用いて「統計学」との関わりについて調査した.その結果,文科系の学生に対して,統計的に優位があったことが得られた.つまり,視覚情報を用いると,学生の「統計学」のイメージ作りができると考えられる. 調査方法は次の通りである.
大学1年生を対象に,最初,中学校および高等学校までの数学の授業で,どのくらい統計の授業を受け,どのような内容であったのかのアンケート調査を行った.調査した結果から,大学入学前の現状分析を行った.次に,大学における「統計学」の授業を学ぶ.ゼミの時間の一部を使い,その内容は,次の通りである.視覚情報(分布図)を大量に用いて,平均,分散,尖度,歪度等の統計量の理解や箱ひげ図や幹葉図を始め品質管理におけるQC7つ道具(特に,管理図の作成)の学習を繰り返し行った.
 その教育結果を基づいて,半年後,再度,同じアンケート調査を行った.その結果から,比率検定で,尖度や歪度の統計量と箱ひげ図や管理図に優位があったことが得られた.
 もう1つの課題である統計学の教育において,国際間に違いがあるのかという問題である.留学生を含めての意識調査を行う予定あったが.実際はできなかった.しかし,以下の書籍を購入し,諸外国,特に米国の検定問題との比較を行った,例えば,Barron's AP:Statistics, Martin Sternsteun,7th Ed.,やのOfficial GRE Quantitative Reasoning Practice Questions, McGrawHill などの問題集を使って,諸外国との問題の策定を比較・検討を行い,できれば良問の選別を行うことも考える必要がある.
その結果,外国の「統計」の問題は実例の部分が非常に多く,データの解釈に視点を当てている感じかする.一方,日本の「統計」の問題は,架空のデータを用いていて,テクニカル手法を学んでいるように感じる部分がある.
 日本人の学生において,「統計」の授業を学ぶ機会が少ない理由を検討してみた.1つは受験体制である.センター試験において,数学IIの科目で「統計」の問題は必題されているが,選択になっている(数列,ベクトル,統計の3つから2種類を選択).統計を選択している受験生はその他の科目に比べると全く皆無である.このような事情は1つの要因である.できるだけ,幼少期から統計に慣れる必要がある.また,この結果は,平成30年度の「データサイエンス人材育成メソッドの新展開」研究集会の発表で裏付ける内容もあった.


 

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

本年度は発表を行わなかった.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

平成30年度 統計数理研究所公募型共同利用重点型研究
テーマ1 「データサイエンス人材育成メソッドの新展開」研究集会

日時:2019年2月22日(金) 10:25-16:15
会場:統計数理研究所 セミナー室1(D305)
参加者数 30名




https://www.ism.ac.jp/~kawasaki/event/kyoken4100.html

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関