平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−95

専門分類

8

研究課題名

言語の文法構造のデータの統計解析

フリガナ

代表者氏名

ウエダ スミエ

上田 澄江

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

言語を語順によって分類したとき、130言語の語順表から「名詞と側置詞」の語順と「数詞と名詞」の語順が分類を規定する重要な2つのパラメータであることがわかった。19項目にわたる語順の特徴が、2パラメータでほぼ説明されることの背後にある項目間の強い関連性と、その必然性について言語学的な立場から考察する。個々の語順項目を羅列して文章を形成することは可能なのか、統計的実験を試みる。


主成分分析から,日本語,英語,タイ語は安定した語順をもつ3つの典型的な言語とみなされる.多くの言語はこの3言語の間隙を埋めるかのように分布している.これはとりわけ19項目の語順規則のうちの「名詞と側置詞」,「名詞と数詞」の順序,「疑問詞」の位置が言語の分類に深く関わる項目であり,この語順規則を介して上述の3言語が3つ巴の関係にある.語順データのランダム生成モデルからこれらのことがほぼ確認できた.また言語の消滅モデルのシミュレーション,および言語の変遷過程をマルコフ連鎖として捉えることを試みている.
角田太作による19項目の「世界の130言語の語順表」は語順による言語の分類において大変に興味深いものである.オーストラリア原住民語の語順,その他の詳細な文法規則についての資料を整理し,まとめることを試みている.


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Tsunoda, T., Ueda, S. and Itoh, Y., Adpositions in word order typology,Linguistics, 33-4, 1995.7
上田澄江,伊藤栄明,語順規則による言語の分類と2パラメータモデル,統計数理,43-2,1996.3


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究内容 個々の言語の語順の統計的な変化について考察する。隣接する語順の異なる言語の分布図から言語地図の変遷について考察する。共同研究の必要性 言語学的な立場からみて語順表の数値化が妥当なものであるか、統計的分析結果によってえられた2パラメータモデルが言語学的立場からも説明されうるのか、統計的に生成された言語地図が実際の言語の分布とどう関連するのかについて議論する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊藤 栄明

統計数理研究所

角田 太作

東京大学