平成272015)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

27−共研−4101

分野分類

統計数理研究所内分野分類

b

主要研究分野分類

2

研究課題名

日中におけるデータ・リテラシー教育の国際比較に関する研究

重点テーマ

統計教育の新展開II

フリガナ

代表者氏名

シモカワ トシオ

下川 敏雄

ローマ字

Shimokawa Toshio

所属機関

山梨大学

所属部局

大学院総合研究部

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

213千円

研究参加者数

8 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

 近年のビッグ・データの隆盛に伴い,統計的データ解析に対するニーズが非常に高まっている.この時流は,本邦に留まらず,中国においても同様であり,平成26年度に我々が実施した調査においても中国の大学学生が統計学に強く関心をもっていることが伺えた.
 本研究では,前年度の研究の続きとして,中国 成都市の3大学(西南交通大学,四川師範大学,西華大学)において,昨年度と同様の調査を実施した.その結果,昨年度と同様に,統計学のスキルが必要であると回答した回答者の割合が高かった.一方で,統計学をどのように応用すればよいか,あるいは,統計学の理論的背景に関する内容を理解することは困難であることがわかった.一方で,本邦における調査は,研究代表者が和歌山県立医科大学に赴任し,統計学の講義を担当していなかったことから,実施することができなかった.また,e-learningシステムの作成,およびそれに基づく電子図書の作成は完了したものの,検証実験に移行するのは困難であった.

 
そのため,和歌山県立医科大学における統計学習の受講生に対して,統計学の学習に対する調査を実施した.その結果,統計学に関して,医学系研究の研究者の90%以上が統計学が必要であり,学習したいと考えていた.統計学に関するニーズは,データ管理,知的財産,英語論文の書き方のレクチャー,レギュレーションの学習といった事柄よりも重要であると回答した割合が高かった.とくに,統計ソフトウェアの利用方法と,その解釈に関するニーズが高かった.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

中国における統計教育に対する現況調査の調査結果の集計(自由記述の日本語化を含む)および若干のデータ解析は終了しており,データ解析及び論文化を進めている.

医科大学における統計教育に関する内容は,日本臨床試験学会 第7回学術集会総会においてポスター発表を実施した.また,日本行動計量学会 第44回大会においても発表予定である.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

平成27年5月14〜15日に開催された日本計算機統計学会 大会期間中に,山梨県立図書館において「中国における統計教育に関するアンケート調査結果報告会を実施した.参加者は,8名(うち,学生は5名)である.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

王 娜

山梨大学

黒木 学

統計数理研究所

田村 義保

統計数理研究所

辻 光宏

関西大学

楊 鶤

西南交通大学

李 力

西南交通大学