平成252013)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

25−共研−16

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

6

研究課題名

複合動詞の後項動詞を指標とした文章のジャンル判別の研究

フリガナ

代表者氏名

ムラタ ミノリ

村田 年

ローマ字

Murata Minori

所属機関

慶應義塾大学

所属部局

日本語・日本文化教育センター

職  名

教授

 

 

研究目的と成果の概要

本研究の最終目標は、文章のジャンル判別に有効な指標としての文型ならびに語句が存在することを実証的に明らかにし、その成果を専門日本語教育における論述文の体系的な教育方法に結びつけることである。本研究は、語彙(複合動詞の後項動詞)を指標として文章のジャンルを判別する研究である。従来、非常に狭い範囲を対象にパイロット研究を行い、仮説が立てられたので、今回は、『現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)』を対象に行った結果について、多変量解析を用いた分析を行いたいと考えた。複合動詞の後項動詞となる動詞の中から22の動詞を選び、異なるジャンルの文章コーパスを利用して、各ジャンルの文章における使用頻度を調査している。すでに自然科学系書籍と社会科学系書籍における22の後項動詞の使用傾向を調べ、現在は人文系書籍における使用傾向を調査している途中である。また、今年度は並行して自然言語処理の手法を用いて、ネット上からブログの文章を収集し、大規模コーパスを用いて、従来とは異なる指標を立て、文章ジャンルの判別の可能性を調べ、報告した(村田年・ロマン・ロッサ共著(2014.3)「異なる文章ジャンルの判別可能性に関する調査?ブログ本文、新聞社説、文学作品、論文を対象として?」『日本語とに日本語教育』vol.42)。この成果を複合動詞の後項動詞の研究にも応用したいと考えている。