平成272015)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

27−共研−2048

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

3

研究課題名

一般化推定方程式のモデル選択

フリガナ

代表者氏名

ノマ ヒサシ

野間 久史

ローマ字

Noma Hisashi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ科学研究系

職  名

助教

配分経費

研究費

40千円

旅 費

4千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

一般化推定方程式(generalized estimating equation; GEE)は、一般化線形モデルの擬似尤度法の多変量モデルへの一般化として、1986年、Liang and Zegar (Biometrika 73: 13-22) によって提案された。以来、独立性が仮定できない、相関を持ったデータの解析方法として、さまざまな分野において広く応用されている。医学研究においては、特に、経時的な繰り返し測定データの解析や多施設臨床試験、クラスターランダム化比較試験など、相関を持ったデータを対象とした研究は多く、これらの研究における標準的な統計解析手法として、実践でも広く普及している。
GEEによる統計的推測は、一般的には局外要因となる相関構造について、便宜的な仮定(working model)を置いたもとでの推定方程式によって行われる。セミパラメトリックモデルの理論から、相関構造についての仮定は誤っていても、関心がある回帰パラメータについては、一致性・漸近正規性を持つことは保証されているが、相関構造についての仮定が真のモデルから乖離するほど、回帰パラメータの推定精度は悪化することが知られている。セミパラメトリック有効性についての理論から、相関構造を正しく特定することができていれば、漸近有効な推定量が得られるが、実際には、相関構造についての正確な知見があることは少なく、また、モデルの妥当性を客観的に評価することは難しい。統計的な評価においても、回帰関数の構造と、結果変数間の相関構造が複合的に関連してくるモデルの評価となるため、古典的な最尤法のようには単純にはいかず、現在においても、さまざまなモデル評価方法が研究されている。
本研究では、特に、医学研究への応用における、GEEのモデル選択の方法についての研究を行った。セミパラメトリック理論のモデル選択の方法論から、いくつかのモデル選択規準についての検討を行い、概ねのところ、有望な方法論の構築が期待できる段階まで研究を進めることができた。また今後、さらなる詳細な検討を進めていく予定である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

特になし。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

特になし。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

五所 正彦

筑波大学

竹林 由武

統計数理研究所