昭和631988)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

63−共研−47

専門分類

5

研究課題名

波浪中での海洋構造物の運動予測および制御

フリガナ

代表者氏名

オザキ トオル

尾崎 統

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

波浪中で係留された海洋構造物における非線形応答および係留索の張力予測は,操業の安全面において重要な問題である。
観測データをもとにした,局所線形化法による非線形応答の解析にひきつづき,運動予測,張力予測を行い,制御問題への具体的な適用方法を開発する。


不規則運動をする波浪によって動かされている海洋構造物の運動特性を特徴づける方法としてこれまで乱振動のマルコフ過程モデルを考え,それを時系列モデルを通して推定する問題として取り組んで来たが,本年度は構造物の強度設計に最も大切で関心の高い問題としてある,運動による構造物の変位がT時間後にあるThresholdを越える確率をTの関数として実際の運動データから推定する問題と取り組んだ。
運動が一次元マルコフ過程の時はモデルが既知の時あるThresholdを越える確率を計算するのは可能であるが,2次元以上になると困難になる。振動運動は2次元マルコフ過程となる為ここに困難が生じる。今年度関連研究者と研究討論する中で,振動工学の領域では減衰が比較的小さい時振動の動きを一次元マルコフ過程で近似する方法が以前から知られていることがわかり,時系列モデルで推定した振動モデルからこの一次元マルコフ過程につなげて行けば理論上推定した振動モデルのT−時間後にはじめてThresholdを越える確率の計算出来ることがわかった。
年度内に計算に取り組むまでに至らなかった為引き続き次年度にこれを続けて行いたいと思っている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

波浪中での海洋構造物の応答は,典型的な確率過程であり,係留システムの場合は応答が非線形特性を含んだものとなる。非線形微分方程式で表現されるこのシステムの解析に,統計数理研究所で開発した局所線形化法を適用する。三井造船昭島研究所で得られた観測データに本手法を適用する。この結果,いままでに非線形システムの特性解析において良好な成果をあげてきた。この手法をオンライン,リアルタイムでの運動予測,係留索の張力予測さらに制御問題に適用していくための具体的な方法を開発する。また,関連ソフトウェアの整備,パッケージ化をはかり,汎用性,実用化の向上をめざす。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

織田 博行

三井造船(株)昭島研究所

山内 保文

日本大学