平成41992)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

4−共研−43

専門分類

5

研究課題名

不完全情報下における制御系設計に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ミヤサト ヨシヒコ

宮里 義彦

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

19 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

制御系の設計にあたっては、どのようなモデリングを行なうかにより、適用できる制御方式の種類や性能が規定される。本研究では従来は別々に扱われることの多かった統計的手法に基づくモデル構成論と、モデル誤差に対処する制御方式の研究を統合し、制御系設計の立場から統計的モデル構成論を見直すことにより、不完全情報下における総合的な制御系設計理論の構築を行なう。


制御系の設計にあたっては、対象をどのようにモデル化するかにより採用できる制御方式の種類や質が規定される。本共同研究は従来は別々に扱われることの多かった統計的手法に基づくモデル構成理論とモデルの不確かさに対処する制御系設計理論を統合し、制御系設計の立場から統計モデル構成論を見直すことにより、不完全情報化における制御系設計理論の構築を試みるものである。このためには、統計的手法に基づくモデル構成論と、モデル誤差を考慮した制御方式の研究、より具体的には統計的システム同定論、統計的制御理論、ロバスト制御理論、適応制御理論、推定理論などの諸分野の統合的な見直しが必要となる。
これまでは、統計的手法に基づくモデル構成論については主に所内よりメンバーを募り、一方、モデル誤差を考慮した制御方式については主に所外よりメンバーを募って両者の定期的な研究会合を開いていたが、今年度は研究会を開催せず共同研究員の間で研究動向に関する意見を交換した。特に最近のロバスト制御を想定したシステム同定の展開に関して多くの議論がなされた。
たとえば、ロバスト制御のためのシステム同定論は、従来の必ずしも制御系の設計を指向しないシステム同定法に比べて、確かに問題提起はするものの、その多くは計算機を使ったメンバーシップ関数の試行錯誤的な更新にとどまっており、精密なロバスト制御理論と比較して理論的にはかなり後進に位置していることなどが指摘された。
また合わせて非線形系の同定問題に関しても、現状では問題に応じた各論の展開がなされているのみで、一般理論の展開には程遠く、これも例えばLie代数による非線形制御理論に比べて、かなり遅れているとの見解が出された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

本研究の実施にあたっては、統計的手法に基づくモデル構成論と、モデル誤差を考慮した制御方式の研究、具体的には統計的システム同定論、統計的制御理論、ロバスト制御理論、適応制御理論などの諸分野の総合的な見直しが必要となる。このような統計的手法に基礎を置き、多様な分野からなる研究は、統計的システム同定論や統計的制御理論の専門家を多く有する本研究所主催の共同研究として実施するのがふさわしいと考える。
本共同研究においては、統計的手法に基づくモデル構成論については主に所内よりメンバーを募り、モデル誤差を考慮した制御方式については主に所外よりメンバーを募って、毎回、両者の側からテーマを持ち寄って、定期的な研究会合を開催する。予算はそのための研究員の旅費、及び計算機関係の消耗品などとする。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

足立 修一

宇都宮大学

荒畑 恵美子

統計数理研究所

石黒 真木夫

統計数理研究所

伊藤 聡

統計数理研究所

植竹 洋一

東京商船大学

大久保 重範

山形大学

尾崎 統

統計数理研究所

小原 敦美

大阪大学

北川 源四郎

統計数理研究所

北森 俊行

法政大学

新 誠一

東京大学

陶山 貢市

東京商船大学

瀬部 昇

九州工業大学

田村 義保

統計数理研究所

中野 和司

福岡工業大学

延山 英沢

九州工業大学

樋口 知之

統計数理研究所

和田 清

九州大学