平成232011)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

23−共研−2066

分野分類

統計数理研究所内分野分類

i

主要研究分野分類

1

研究課題名

グラフ上の推論アルゴリズムのホモロジー代数的研究

フリガナ

代表者氏名

フクミズ ケンジ

福水 健次

ローマ字

FUKUMIZU KENJI

所属機関

統計数理研究所

所属部局

モデリング研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

63千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 本研究は、確率伝搬法やネットワークコーディングといった、グラフによって表現される構造を持った効率的計算アルゴリズムの数理的基盤に関して,層やホモロジー代数といった数学理論を用いた新しい定式化を追求し、それに基づいたアルゴリズムの理解と発展および応用への展開を目的としている。
 特に確率伝搬法に関しては、符号の問題における復号アルゴリズムなど応用での成功はあるものの、グラフにループがある場合の収束性や解の厳密性に関していまだ十分な数理的解明が行われていない。本研究は、これらの理論的問題を考察していくための新たな数理基盤の確立を目的としている。
 共同研究参加者である平岡・福水が、神戸で行われた国際会議NOLTAでの関連するセッションに参加し関連する内外の研究者も含めて研究交流を行ったほか、九州大学・平岡研究室において3日間の集中的な議論を行った。その結果、確率伝搬法や復号化アルゴリズムなどに関して、群の作用などによる不変性が重要な役割を果たしていることがわかった。特に、確率伝搬法に対するグラフゼータ関数による理論解析に関して、グラフの被覆空間とその上に定義されるL関数と呼ばれる対象を考察することが有用であるとの知見を得た。現在、確率伝搬法の数学的定式化をメモにまとめながら、被覆空間による考察を進めており、継続して共同研究を推進する予定である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Yusuke Watanabe and Kenji Fukumizu. (2011) Graph zeta function and loopy belief propagation.
Proceedings of the 2011 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications (NOLTA2011) pp.192-195.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

なし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

平岡 裕章

広島大学