平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−29

専門分類

3

研究課題名

非定常変動を含む時系列間の関係を把握する方法の研究

フリガナ

代表者氏名

イシグロ マキオ

石黒 真木夫

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

特に、経済時系列の季節調整と、多次元自己回帰モデルによるシステム解析の有機的統合を目的とするが、他の分野のデータで非定常成分を含むものに関しても適用可能なものを目指す。


経済システム解析を目的として、BAYSEAのパラメータの設定を変えて、非常に固いトレンドを除去した残差の解析を行った。鉱工業生産指数の生産と出荷と卸売物価の3変量の間の関係を調べた結果、トレンドと季節変動を除いた系列に関して、
物価の上昇が出荷の減少をもたらし  生産の上昇が出荷の減少をもたらし  出荷の増加が物価の上昇をもたらし  出荷の増加が生産の上昇をもたらす
という関数が見いだされた。また、季節調整を行うにあたって、EICによる評価を行うことを試みた結果、自然な形のresamplingにもとづくbootstrap法を採用した場合に、データの両端における補外の可否が自然な形でモデル選択に反映される事実が判明した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Ishiguro,M.(1994). System Analysis and Seasonal Adjustment through Model Fitting, in Proc. The First US/Japan Conference on the Frontiers of Statistical Modeling: An Informational Approach, Bozdogan,H.(ed.),Kluwer,Netherland,pp.79-91.

石黒真木夫,Bootstrap Techniques for Time Series Analysis, Seasonal Adjustment Workshop,March 24,1995

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

昨年度までの研究で、モデルのあてはめで必要な数値的最適化を安定化させるために、初期値の設定が重要である事が明らかになった。今年度の研究で、合理的な初期値を得る、簡単なアゴリズムを考案して、モデルあてはめに際しての「名人芸」を不用にする計画である。
更に、非定常成分のモデルを改良して、非定常成分相互の関連、非定常成分と、定常成分の関連も含めて解析できるようにする。データの選択、解析結果の解釈には経済学の研究者との協力が不可欠である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

加藤 比呂子

NTT

浪花 貞夫

立命館大学