平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−86

専門分類

7

研究課題名

疫学研究のための生物統計学的方法論の開発

フリガナ

代表者氏名

サトウ トシヤ

佐藤 俊哉

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

疫学研究では人間の健康に関する大量のデータを扱うため、データの統計処理は不可欠であるが、健康に関係したデータ解析のための特別な方法論を必要としている。近年、疫学データ解析のための様々な生物統計方法論が開発されており、本研究では新しい方法論開発のための基礎的研究を行う。


疫学研究では、結果である疾病発生に状況にもとづいた、ケース・コントロール研究とよばれるサンプリングがよく行われる。これは経済分野で発展した choice-based sampling と同じものである。このケース・コントロールデータについて、ふたつのリスク要因への曝露の相互作用を調べる方法を開発した。
疫学、統計学の文献では統計的交互作用と相互作用が混同されており、相互作用は加法モデルのもとでの交互作用として調べることができる。しかしケース・コントロール研究では、加法モデルを当てはめることができないため、加法相対リスクモデルという特殊なモデルを考え、このモデルのもとでのスコア検定として相互作用を調べる方法を導いた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

林邦彦. 薬剤疫学における医薬品の経済評価・イフェクティブネス評価. 月刊薬事, 39 (5), 1997. 4.

佐藤俊哉. ケース・コントロール研究での相互作用の検討. 日本計量生物学会・応用統計学会1997年度合同年次大会, 1997.4.25.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

疫学研究から得られた人間の健康に関する複雑な構造を持ったデータを解析するために、二値データのロジスティック回帰、生存時間データの比例ハザードモデル(Cox回帰)、経時観察データの一般化推定方程式(Generalized Estimating Equation, GEE)モデルなどが開発され応用されてきた。また、これらの方法論の開発によって、quasi-likelihood, counting process といった統計理論に対する関心も深まり、応用の問題から理論へ、理論的発展から再び応用へと、好ましいフィードバックが続いている。本研究では、様々な疫学研究の本質を理解することで、目的にあった適切な生物統計方法論を開発する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

中井 里史

横浜国立大学

新田 裕史

国立環境研究所

橋本 修二

東京大学

林 邦彦

群馬大学

本田 純久

長崎大学

山本 精一郎

国立がんセンター研究所