平成クオ1989)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−96

専門分類

8

研究課題名

社会調査における要因選択の方法−要因構造分析を基盤として−

フリガナ

代表者氏名

タカクラ セツコ

高倉 節子

ローマ字

所属機関

東京国際大学

所属部局

人間社会学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

昨年度に引き続いて,社会調査において,サンプルの属性及びいくつかの特性による説明変数(要因)が,目的変数に対し,どの様な関わり方をしているか,その関わり方の構造を明らかにし,説明変数の中,どの変数を選択するか,どの様なクロス関係で選択することが妥当であるかを見出す方法を探求する。


幾つかの説明変数(要因)から,目的変数による群別帰属を効率よく予測することを狙い,数量化2類を適用し,変数選択をAICの規準で行ってみた。この規準によると,サンプル数が約200の場合は,偏相関係数の値がほぼ0.1以下の変数は選択しないということになる。偏相関係数の値は,説明変数の組合せに関係するので,目的変数,説明変数の関連構造を見て,選択の目安を立てようと考えた。そこで,主成分分析,或は,数量化3類(この場合,目的変数を説明変数と同様に扱う)による,項目・カテゴリーの位置づけをみた。データは,前年度同様,“老人の精神的健康に関する調査”の結果を用いた。そして更に,種々の簡単な例を作り,項目・カテゴリーの主成分分析による付置と,数量化2類によるその項目の偏相関係数との関連を探ってみた。有効要因は,やはり目的変数の位置と近い位置にあるもの,及び,これと直交の位置関係にあるものが選ばれていることが見られたが,近い位置にある項目群,直交項目群のそれぞれの中から,どの項目がどういう順で目的変数に関連が強く(偏相関係数値の高位順),選択されるのかは,余り判熱としなかった。
更に,数個の説明変数をとりあげ,多元分割表に基づく対数線型モデルの方法を適用し,AIC規準による最適モデルを選ぶことを試みた。適用したデータが少数(193)であった為,この方法によると,最適モデルとなる項目はたかだか2個になった。しかし,このモデルにより,説明変数間の交互作用効果を見ることができ,今後,これを利用し,二重分類を加えた最適な説明変数の結合モデルの設定を試みたいと考える。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

既に得られている調査結果データを用い,多元分割表の作成を基礎とした対数線形モデルによる解析を行ない,AICの規準による最適モデルを選択してみる。この方法と今迄に行ってきた他の種々の方法による要因選択とを比較し,妥当と見られる要因の選定方法とデータの数や要因構造との関連を探り,得られたデータの条件を勘案した揚合,妥当な方法は何かを見出していく。
対数線形モデルによる解析方法は,貴研究所・教官の指導,協力が必要であり,計算量が大なるため,大型計算機の使用を必要とする。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大隅 昇

統計数理研究所

鈴木 達三

帝京平成大学