平成232011)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

23−共研−1022

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

7

研究課題名

古代社会の人口動態推定

フリガナ

代表者氏名

ツチヤ タカシ

土谷 隆

ローマ字

Tsuchiya Takashi

所属機関

政策研究大学院大学

所属部局

政策研究科

職  名

教授

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 古代社会の人口の推定は、考古学や歴史学における重要な研究テーマの1つである。ヌジ人名史料から復元された家系図および個人名が記載されるヌジ文書の情報を用いて,古代メソポタミアの時代のヌジ社会の人口動態推定を行い、紀元前15世紀における世界の中の1小都市ヌジの人口推定としての妥当性について考察する。
 前年度には「ヌジ人名史料」のうちの使用可能な全データを用い、家系図およびその他の情報との相互関係を凸2次計画問題として定式化することにより、ヌジ社会の人口動態推定を行った。この結果に対して、全人口の97パーセントを占めるテヒプティラの家系図のネットワークに特化した凸2次計画問題を解き、前述の結果と比較・検討することを試みた。後者の場合には、個々の生誕年・死亡年は一意には決まらないが、寿命の長さに関してはユニークに定まることが確認された。ヌジ人名史料から得られた比較的大きな家系図とその他の家系図との関係について、地主と小作人、富豪と庶民というような関係が家系図を比較することによって文書を介した関連から見いだせるかどうか試み、得られた結果から見えてくる社会の構図について議論した。当時の社会が中央集権的な社会であったのか、あるいは比較的平等な社会であったのかを図る指針を与えるものと思われる。また、先行研究における最大家系図テヒプティラの家系と、我々の構成した家系図に見られた相違点について検証した。同一の家系図に属すると見なす条件の相違、あるいは確率的に同一家系図とする設定の相違が考えられる。個人名を索引の形式でアルファベット順に整理された書物「ヌジ人名史料」の情報からコンピュータ・プログラムにより自動的に構成された家系図には、より厳しい条件が課せられていることを確認した。

4人の分担者による会合をもち、議論をおこなった。
研究会合の日時と場所
2011.12.15 11:00〜16:00 政策研究大学院大学
2012.01.12 11:00〜15:00 政策研究大学院大学
2012.02.16 11:00〜15:00 政策研究大学院大学
2012.03.07 11:00〜17:00 鎌倉女子大学

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

2012年3月9〜10日 第4回 日独分類シンポジウム
上田澄江、牧野久実、伊藤栄明、土谷隆
Ancient Population Dynamics Estimation from Archaeological Data 'Nuzi Personal Names'
同志社大学室町キャンパス、京都

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

なし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊藤 栄明

統計数理研究所

上田 澄江

統計数理研究所

牧野 久実

鎌倉女子大学