平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−108

専門分類

9

研究課題名

紫外線暴露量簡易評価システムの確立に関する研究

フリガナ

代表者氏名

オノ マサジ

小野 雅司

ローマ字

所属機関

国立環境研究所

所属部局

環境健康部

職  名

室長

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

オゾン層の破壊により有害紫外線照射量が増加するといわれており,有害紫外線暴露に伴う人の健康への影響が懸念されている。本研究では,紫外線暴露による健康影響評価に先立ち,地域住民の紫外線暴露量を簡易に評価するためのシステムの確立を目指すものである。


1. 生活環境中における紫外線暴露量の推定
地域住民の紫外線暴露量は、居住地域の紫外線照射強度と一人一人の戸外での活動時間により決定されると考えられる。そこで、気象庁の紫外線観測データと簡易測定装置による紫外線暴露量データの両方が得られた札幌、つくば、那覇の3地区についてゴルフ場キャディーを対象に紫外線暴露量の推定を試みた。紫外線暴露量の推定値は、各地区の時刻別紫外線強度を戸外での活動時間について積和することにより求めた。暴露量推定値は、対象者一人一人、測定日ごとに求めた。
紫外線暴露量推定値と簡易測定装置による紫外線暴露量観測値の相関はおおむね良好で、那覇地区では冬季0.570、夏季0.024、つくば地区では冬季0.318、夏季0.518と、札幌地区では夏季0.408であり、那覇地区の夏季を除き、比較的大きな相関が認められた。
2. 紫外線暴露にかかわる実験的研究
紫外線暴露による健康影響を論じる時、標的部位(白内障の場合には眼部)における紫外線暴露量の評価が重要となる。前章までは、地表面における紫外線照射量や簡易測定装置による紫外線暴露量(胸元)についてみてきたが、本章では、眼部近辺の紫外線被曝量を測定することを目的にマネキンモデルを用いた紫外線計測装置を試作し、微小部位における紫外線暴露について検討した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

小野雅司:生活環境中の紫外線暴露量?紫外線照射量と個人暴露量、環境科学会1995年
年会、1995.10、東京。
M.ONO:Preliminary study of ultra-violet exposure measurement,International Forum
on Advanced Techniques in Lens and Cataract Research,1995.6,Kanazawa.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

上記目的を達成するため,前年度に引き続き以下の研究を実施する。1)初年度に行った簡易測定装置による紫外線暴露量評価手法を確立するとともに,新たに標的器官の一つである眼部位を対象に暴露量評価手法を開発する。2)上記評価手法を用い,住民の生活行動パターンから統計的手法により有害紫外線暴露量を推定するための手法を確立する。本研究の実施にあたり,紫外線簡易測定装置の開発並びに実験計画の策定と実施(小野・疫学),そして,得られた実験結果に基づく有害紫外線暴露量推定のための統計モデルの作成・検証(佐藤・統計学),という共同研究が必要である。特に,統計モデルの作成・検証においては貴研究所研究員の参加が必須である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

佐藤 俊哉

統計数理研究所