平成111999)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

11−共研−1030

専門分類

5

研究課題名

変光星における非線形挙動の時系列解析

フリガナ

代表者氏名

ヤナギタ タツオ

柳田 達雄

ローマ字

Yanagita Tatsuo

所属機関

北海道大学

所属部局

電子科学研究所

職  名

助手

所在地

TEL

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E-mail

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研究目的と成果(経過)の概要

変光星はその物理的要因によってさまざまな挙動を示す。近年、これらの変動を非線形
力学系として捉える動きがあるが明確な結果は得られていない。本研究は変光星の非線形
挙動を力学系として捉えられるか否かを検証するとともに、光度変化の時系列から統計手
法を用いて種々の変光星の特性を調べることを目的とする。
 ここでは特に脈動型変光星の光度データから相関次元を算出する事により変動が少数自
由度の力学系に従っているか否かを判定した。それにより、周期的な時間構造と不規則運
動の和として変光をとらえる事が出来た。しかしながらより定量的な層間次元などの推定
は現在得られているデータからはできなかった。このことは以下の2つの可能性を示唆し
ている。1.データが決定論的力学として捉える為には不十分である。2.少数自由度の
カオスとしてとらえられない。一般に空間自由度のある力学系は小数自由度の力学系には
ならない。恒星には空間自由度が有り、光度変化は恒星表面の平均場として得られるため
時間空間カオスを何らかの意味で平均して得られたものを我々が観測している事となる。
このため、時空カオスが空間平均された系として脈動型変光星をとらえる必要があること
を示しており、今後の課題である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

T.Yanagita and H.Sato and K.Saijo,Chaotic behavior and Statistical Analysis of
some Mira and SR stars,Astrophys.and Space Science,1993,210,
H.Sato and K.Saijo and T.Yanagita,Observation and Statistical Analysis of ZZ Pis-
cium,Astrophys.and Space Science,1993,210,

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊藤 栄明

統計数理研究所

西城 恵一

国立科学博物館

佐藤 英男

東京大学