平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−43

専門分類

6

研究課題名

AEの空間的分布と時間的分布の統計的解析

フリガナ

代表者氏名

ノロ ハルブミ

野呂 春文

ローマ字

所属機関

地質調査所

所属部局

職  名

主任研究官

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

岩石破壊にともなって発生するパルス状の高周波音波(AE)の,発生源(震源)の空間的分布と時間的分布,そしてそれら相互の関係を,点過程解析手法を用いて解析する。


昨年度までは、岩石の3軸圧縮実験において岩石に微小破壊にともなって発生するAE(アコースティックエミッション)の時間的な分布に重点を置いて点過程解析手法による解析をおこなうとともに、空間的分布に関して経験分布関数による解析をおこなって、両者の対応を調べた。
今年度は、特にAEの空間的な分布に重点をおいて解析をおこなった。従来は、岩石を均質かつ等方とみなしてP波初動到達時刻からAEの発生位置を推定し、空間的分布を論じてきた。しかし、実際の岩石は不均質かつ非等方であり、初動到達時刻の残差には速度構造の不均質の影響が含まれると考えざるをえない。それを逆に使うことによって、多点における初動到達時刻データから試料のP波速度構造を求めることができると期待できる。この考えにもとづいて実際のデータの解析をおこない、P波速度構造の推定に成功した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

雷興林・西澤修 AE走時残差によるP波トモグラフィー 地震学会 1991年10月
西澤修・野呂春文・増田幸治 応力を受けた異方性岩石の速度トモグラフィー 地球惑星関連学会 1992年4月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

地質調査所の室内岩石破壊実験によって得られたAEの震源位置,マグニチュードおよび発生時刻のデータについて,震源の空間的分布と時間的分布との関係を解析するために,点過程解析の手法の適用を試みる。
室内の岩石破壊実験にともなって発生するAEは,破壊が進行するにつれて発生源が空間的に集中することが知られている。AE震源の集中の度合は,山はね,トンネル崩壊等の最終破壊の予知に役立つと考えられている。しかし,天然におけるAEの観測では震源位置が決定できることはまれであるため,この方法の適用は困難であった。一方,AEの時間的分布データは容易に精度良く得られる。したがって,前記の解析によって,空間的分布と時間的分布の関係が明らかになれば,これら破壊現象の予知に大いに貢献できると期待される。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

尾形 良彦

統計数理研究所

西澤 修

通産省工業技術院地質調査所

村田 泰章

地質調査所