平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−110

専門分類

3

研究課題名

音声知覚,生成相互作用の多変量フィードバックモデルに基づく解析

フリガナ

代表者氏名

イシグロ マキオ

石黒 真木夫

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

人間のコミュニケーション過程における情報生成と獲得のダイナミックな相互作用機構の研究の一環として,通常の発声時における音声知覚と生成の相互作用を統計的モデルを用いて定量的に明らかにすることを目的とする。


音声時系列データに対し、統計的時系列モデルをあてはめた。その結果をATRで開発された変換聴覚フィードバック法(TAF)で得られた結果と比較・検証した。その経過は、
・時系列モデルのあてはめは人工的に変調しない音声データから得られた基本周波数に対しておこなえることが利点である。聴覚系による影響の部分がTAFによる結果と若干ずれることが確認された。その理由についてはまだ定量的に解明していない。
・適用した時系列モデルにより、TAFではできなかった多次元の音声パラメータ解析が実現できた。振巾の二乗平均値から基本周波数への影響が大きいことが認められた。又、発声に対する聴覚系の影響も確認することができた。
今後のテーマは発声生成機構と聴覚系のシステムが発声に伴ってどのように変化するかを調べることである。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

加藤比呂子.河原英紀。
ATR Technical Report TR-H-166
(株)ATR人間情報通信研究所,1995.9.22
-加藤比呂子,音声知覚・生成相互作用の解析,日本統計学会,1995.7.25
-加藤比呂子,平均非定常多変量フィードバックモデルによる音声パラメータの解析,統計数理研究所
7-共会-6「理工学における不規則現象の解析方法とその応用」,1995.11.14
-加藤比呂子,河原英紀,統計的時系列モデルを用いた基本周波数のゆらぎに関する解析。
日本音響学会聴覚研究会 1995.12.8

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

これまで音声発声時に聴覚情報がどのように利用されているかについて定量的な検討は殆どされていなかった。ATRでは,その一手法として,変換聴覚フィードバック法を開発した。この実験データを用いた一変量多重フィードバックモデル,また,複数の音声パラメータと筋電波形からなる実験データに対する多変量フィードバックモデルを統計的な立場から構築し,情報量規準に基づくモデル選択,パラメータ推定を行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

加藤 比呂子

NTT