平成252013)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

25−共研−3

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

4

研究課題名

北極海における海氷・海水生態系を表現した数値モデルの開発

フリガナ

代表者氏名

テルイ タケシ

照井 健志

ローマ字

Terui Takeshi

所属機関

国立極地研究所

所属部局

北極観測センター

職  名

特任研究員

 

 

研究目的と成果の概要

実施内容
平成25年度は、平成24年度に開発した海氷海洋低次生態系モデル(海氷下で基礎生産を担うアイスアルジーやそれを捕食する端脚類の生態を含むモデル)を用いて、北極海季節海氷域の食物連鎖に与える影響を評価する。また海氷の多寡による海氷・海洋生態系の応答の差異を感度実験等から明らかにする。具体的には、1990 年代や 2006 年など海氷後退が遅れた年と、最近の海氷後退が速い年について、モデル実験と結果の分析・比較を行う。また観測との連携を継続して進める。海氷・海洋生態系に係る観測結果について北極海のみならずベーリング海・オホーツク海などでの知見を取り入れ、モデルによる詳細な現状分析を行う。

成果
前年度まで開発した海氷-海洋低次生態系モデルにおいて、海氷下のアイスアルジーおよび端脚類の挙動を先行研究から得られた知見に基づき改良した。このモデルを夏季の海氷後退が早い年を対象に駆動し、過去の知見や観測結果と比較した。また海氷生態系の捕食プロセスに関する感度実験の結果から、端脚類の挙動が基礎生産者であるアイスアルジーの出現時期や、カイアシ類の生物量の増減に影響を及ぼすことが確認された。これらの結果を複数の学会・シンポジウム等で発表した。