平成262014)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

26−共研−4101

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

6

研究課題名

高頻度金融データにおける日内季節変動の統計解析

重点テーマ

ファイナンスリスクのモデリングと制御

フリガナ

代表者氏名

ヨシダ ヤスシ

吉田 靖

ローマ字

Yoshida Yasushi

所属機関

東京経済大学

所属部局

経営学部

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

3千円

研究参加者数

4 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究は、先物市場における高頻度データを分析対象として、立会時間の制度変更の前後での日中の取引頻度の変化を観測し、ファイナンスリスクの分析・評価を進展させることを目的とする。
 前年度までの研究により、日経平均先物に関するEptrenによる日周期推定によって、立会時間の制度変更前後で取引が集中する時間帯が変動することを計測していた。本年度はまず、大引け直前の取引頻度が精度変更後に高まっているかどうかを、5分データ、1分データにより計測したが、必ずしも前年度の結果と整合的とは言えないものであった。
さらにEptren による推計にLeave-one-out cross validationの手法を組み合わせて評価したところ、全データを使った強度関数の推定値に対する信頼区間という意味では狭すぎる区間となり、目的とした結果は得られなかった。しかし、推定された強度関数をさらに平滑化したような挙動を示すことがわかった。この方法を大引け直前の10分に適用すると、その時間帯の集中度は徐々に弱まる傾向があることが示された。
次に日経平均先物および東京商品取引所の金先物の取引高データに対して、5分毎のデータをレベル1、日次のデータをレベル2とするマルチレベル分析を行った。その結果、概ね良好な結果が得られたが、推計の期間によっては、収束が困難となるような例が存在することが示された。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

学会発表
・An analysis of changing intraday patterns by extension of trading hours in Japanese futures markets、 日本ファイナンス学会第22回大会、 中央大学多摩キャンパス、2014年6月1日

・点過程強度の安定性検証とその応用、統計数理研究所 リスク解析戦略研究センター 第3回 金融シンポジウム「ファイナンスリスクのモデリングと制御II」、学術総合センター、2014年11月25日

・先物市場の日周期変動分析、ワークショップ 証券市場の諸問題、大阪大学金融・保険教育研究センター 大阪大学未来研究イニシアティブ リスク解析・資本市場研究グループ、大阪大学中之島センター講義室406、2015年2月20日

・先物市場の高頻度データによる流動性分析、研究集会「第16回ノンパラメトリック統計解析とベイズ統計」、慶應義塾大学日吉キャンパス 協生館5Fエグゼクティブセミナールーム 2015年3月25日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

川崎 能典

統計数理研究所

山下 智志

統計数理研究所