平成101998)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

10−共研−98

専門分類

9

研究課題名

地球環境のリモートセンシングと統計的方法

フリガナ

代表者氏名

カシワギ ノブヒサ

柏木 宣久

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

地球環境の計測にはリモートセンシング技術が不可欠である。本研究では、衛星等から送信される各種センサのデータを処理あるいは解析するために必要な統計的方法について検討し、地球環境モデル同定の精度向上を目指す。


熱帯降雨観測衛星の運用が開始された。主力の観測機器として共同研究者等により開発された降雨レーダーが搭載されている。マイクロ波が雨により散乱する現象を利用したレーダーで、照射したマイクロ波の反射強度を測定し、その測定値を基に降雨強度を推定する。ただし、その推定は多分に確率論的である。
マイクロ波の反射強度と降雨強度の関係は多くの要因に依存して決まるが、その主な要因として雨滴の粒径がある。雨滴の粒径は均一ではないため、推定には雨滴粒径分布が用いられる。本研究では、この雨滴粒径分布の同定精度向上を目的に、敷居値法、分布間の距離に基づく同定法等の適用可能性について検討した。
また、マイクロ波は雨中を通過する間に減衰するため、測定した反射強度をそのまま用いると降雨強度が過小評価されてしまう。そのため、減衰補正が行われている。これに関連し、その精度向上を目的に、ベイズ的方法に基づく減衰補正の可能性について検討した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Honjo, Y. and Kashiwagi, N., Matching objective and subjective information in groundwater inverse analysis by Akaike Bayesian information criterion, Water Resources and Research, vol.35, 1999.2.

柏木宣久, 環境時空間データに対するベイズモデルの構築, 日本統計学会, 1998.7.
柏木宣久, 東京湾の水環境と時空間解析, 科研費シンポジウム「ノンパラ・非線形・シミュレーション」, 1998.11.
Kashiwagi, N., A state space model for space time seasonal adjustment, 統計数理研究所共同研究 (10-共会-7) 「時系列・時空間事象の統計解析」, 1999.2.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

陸上の気象観測点が希少な熱帯地方の降雨を観測するため、熱帯降雨観測衛星(TRMM)が打ち上げられ、運用が開始されようとしている。これに対応し、降雨推定に関連する種々の統計的方法について検討し、必要に応じて新たな方法を開発する。特に、TRMMにおける第二世代の降雨推定法の開発計画が始まっており、この計画への貢献を目指す。開発に際しては、統計数理研究所に蓄積された統計的方法に関する知識および技術を利用する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

井口 俊夫

郵政省通信総合研究所 関東支所

古津 年章

郵政省通信総合研究所

清水 邦夫

東京理科大学