平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−11

専門分類

1

研究課題名

多変量質的データの構造解析に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ヤナイ ハルオ

柳井 晴夫

ローマ字

所属機関

大学入試センター

所属部局

研究開発部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

10 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

多変量質的データの構造解析に関する統計的手法として、林の数量化3類が著名である。この他にその関連手法として西里静彦による双対尺度法、ベンゼクリに始まるフランス学派の対応分析などがあり、これらの分析法に関連していくつかの文献で種々の興味ある数学的性質が指摘されている。これらの性質を体系的に整理し、さらにその広い応用可能性を探ることを本研究の目的としたい。


今年度は,研究参加者が各自の関心に従って多変量質的データの構造解析に関係するテーマを持ちより,統計数理研究所で計9回の研究会合を開催した.研究会合では本課題に関する近年の話題を概観し,従来の手法の問題点と新しい方向性に関する情報交換及び討論を行った.
研究会合で取り上げられた主なテーマは,数量化3類(対応分析,等質性分析,双対尺度法の名でも知られる)関連技法とその展開,およびクラスタリングの技法である.具体的には「質的データの数量化に関する最近の話題」「多変量解析の制約付き問題」「多変量解析の感度分析」「次元縮約の落し穴」「多重配列データのグラフィック分析」「重み付き等質性分析による一次元尺度の構成」「偏対応分析の性質とその応用について」「一対比較の optimal scaling について」「数量化スコアの信頼性」「分割法による階層的クラスター分析」「質的評定における個人差の扱い」「対応分析法のいくつかの変形」「(社会調査における)自由回答の分析」「等質性分析の分類への応用」など多岐にわたるものとなった.
上記話題の一部は共同研究リポート86としてまとめられ,一部学会報告も行った.また各自が関連する話題について学会誌等へ論文を投稿中または投稿準備中である.


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

柳井晴夫(研究代表者),共同研究リポート86「多変量質的データの構造解析に関す
る研究」統計数理研究所 1996年3月
Fifth Conference of International Federation of Classification Societies
(略称IFCS-96:1996年3月27〜30日)における発表.
・Yanai,H.(1996)"Generalized canonical correlation analysis with linear const-
raints",IFCS-96 Abstracts,Vol.2,177-180.
・Baba,Y.(1996)"Classification based on confidencial region of quantification
scores",IFCS-96 Abstracts,Vol.1,33.
・Tsuchiya,T.(1996)"Homogeneity analysis for partitioning qualitative varia-
bles",IFCS-96 Abstracts,Vol.1,61-64.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

まず目的に関連したこれまでの関連研究を調べ、数量化3類、双対尺度法、対応分析の類似点、およびその相違点を明らかにし、未解決の問題を整理する。特に数量化3類における項目カテゴリ型と自由選択型データの分析結果の相違、複数個の項目カテゴリ型データがある場合(多重対応分析に相当)の分析法、多重配列データの数量化法、さらに実際データ(図形データを含む)を用いた応用研究などを行う。統計数理研究所との共同研究を行う理由は、統計数理研究所には本テーマに関連した研究をこれまでに精力的に行ってきた多数の研究者が存在すること、および多数の関連文献の利用が可能であることなどが挙げられる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

岩坪 秀一

大学入試センター

大隅 昇

統計数理研究所

大津 起夫

北海道大学

駒澤 勉

統計数理研究所

田中 豊

岡山大学

土屋 隆裕

統計数理研究所

馬場 康維

統計数理研究所

前田 忠彦

統計数理研究所

山田 文康

静岡大学