平成41992)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

4−共研−7

専門分類

1

研究課題名

多変量統計解析における数値的計算法の研究

フリガナ

代表者氏名

コニシ サダノリ

小西 貞則

ローマ字

所属機関

九州大学

所属部局

大学院数理学研究科

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

11 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

多変量統計解析における種々の分析手法に関連して、起因する統計的推測、統計的モデルの構築等、観測データに基づいて、有効に行うための手法開発を目的として研究を行う。特に、統計的数値計算法の理論と応用の研究を行い、可能な限り緩やかな仮定のもとで、より複雑な問題に対して適用できる手法開発をめざす。


前年度までの研究成果をふまえ、多変量データの分析をより有効に行うための統計手法開発を目的として、以下のような研究を行った。
1.ブートストラップ法を中心とした統計的数値計算法に関して、手法の構造を明らかにするための研究を行った。特に、ここ約15年の間に行われたこの分野の研究を整理し、それぞれの手法の特徴と固有の問題点、従来の方法との相違点等について研究を行い、統計的諸問題への手法の適用拡大化について検討した。さらに、医学における鑑別診断をより有効に行うための数値的計算法の検討、ブートストラップ法の因子分析における推測論への応用について継続研究中である。
2.ブートストラップ法を予測誤差推定の問題に適用することによって、これまで解析的アプローチが難しかった様々な問題に対して、有効な解を与えることが可能となりつつある。このような例として、情報量規準AICに於ける対数尤度のバイアス補正、判別分析に於ける誤判別率の推定問題を取り上げ、前年度に引き続き理論的・数値的に考察し、特に、バイアスを推定する際の変動の減少法について検討した。判別分析における誤判別率推定を情報量規準の基本的な考え方の枠組みの中で捉え、見かけ上の誤判別率のバイアス推定の変動減少法について継続研究中である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Konishi, S. (1992). Principal component analysis for multivariate familial data. Biometrika, Vol.79, No.3.
小西貞則・本多正幸(1992)。判別分析における誤判別率推定とブートストラップ法。応用統計学、21巻、2号。

小西貞則; 対数尤度のバイアス補正と情報量規準、日本統計学会、1992年7月22日。
本多正幸、小西貞則;縮小推定量を用いた線形判別関数の評価とその応用、1992年7月22日。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

上記研究目的にそって、種々の問題解決と新しい統計手法の開発をめざして、主として以下の研究を行う。
(i)主成分分析、因子分析、正準相関分析などにおける統計的推測論と数値的計算法の研究、(ii)判別分析に於ける予測誤差推定法と有効な判別方式の構築法の研究、(iii)ブートストラップ、ジャックナイフ、交差検証法などの手法の理論的、実験的側面の研究と新たな数値的計算法の検討、(iv)数値的計算法の研究上必要とされる乱数、モンテカルロ法、数式処理システムに関する研究。
以上の研究を実施するに当たっては、関連する分野の研究者との研究協力が必要で、相互に討論しアイデアを交換し研究を推進する、共同研究として実施する必要がある。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

鎌倉 稔成

中央大学

工藤 昭夫

東海大学

塩谷 實

明星大学

清水 邦夫

東京理科大学

中村 忠

島根大学

仁木 直人

東京理科大学

早川 毅

一橋大学

藤越 康祝

広島大学

布能 英一郎

関東学院大学

本多 正幸

千葉大学