平成222010)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

22−共研−1009

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

6

研究課題名

性同一性障害/トランスジェンダー当事者の成長軌跡モデルの構築

フリガナ

代表者氏名

ササキ ショウコ

佐々木 掌子

ローマ字

SASAKI SHOKO

所属機関

東京大学

所属部局

大学院総合文化研究科 生命環境科学系 認知行動科学 長谷川研究室

職  名

日本学術振興会特別研究員

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

性同一性障害/トランスジェンダー当事者がジェンダー・アイデンティティを安定してもちながら生きていくためにどのような変数が寄与しているのかを明らかにすることを研究目的とした。
本年は,特に,ジェンダー・アイデンティティに寄与する性同一性障害当事者のストレスに対する対処方略を明らかにすることを目的とした。協力者は,MTF(男性から女性への性別移行者)134名(平均年齢38歳(SD10.78)),FTM(女性から男性への性別移行者)245名(平均年齢28.13歳(SD7.24))であった。従属変数として「ジェンダー・アイデンティティ尺度(佐々木・尾崎,2007)」を,説明変数として「性自認」,「身体治療」,「3次元モデルにもとづく対処方略尺度(TAC-24:神村・海老原・佐藤・戸ヶ崎・坂野,1995)」を使用した。多母集団パス解析の結果,全集団で有意であったのが肯定的解釈(+)であった。また1群を除き,放棄・諦め(-),責任転嫁(-)も有意であった。「情報収集」はホルモン療法をしているMTFのみで有意,「カタルシス」はホルモン療法をしているMTFと性別適合手術をしているFTMのみで有意,など群間によって影響のあるコーピングスタイルに差異もみられた。この結果を踏まえて,性同一性障害の心理的サポートについて考察した。
 この結果について,心理臨床学研究に論文が採択された。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

佐々木掌子 (印刷中) 性同一性障害当事者におけるジェンダー・アイデンティティを高めるストレス・コーピングスタイル,心理臨床学研究 (日本心理臨床学会),29(3),

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

尾崎 幸謙

統計数理研究所