平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−131

専門分類

3

研究課題名

独立観測系列における変化点の解析に関する研究

フリガナ

代表者氏名

シモダイラ ヒデトシ

下平 英寿

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

ある特定の分布からの独立観測系列において,途中で分布のパラメータが変化するような場合に,観測したデータを用いて変化を検出するための方法を研究することが目的である。具体的には,まず変化の検出に用いる統計量を与え,帰無仮説におけるその統計量の分布の計算方法や,検出力について考察する予定である。


本研究では、ある確率分布から観測される系列において、系列の途中で確率分布の母数に変化が起きた場合に、その変化を検出して変化点や変化量について推測する問題について考察した。このような問題を変化点解析といい、これまでにもInclan(1994)やWorsley(1986) など、様々な研究が行われている。
まず、Inclan(1994)が提案している中心化累積和を用いた統計量による変化の検出方法を、ガンマ分布からの独立な観測系列における母数の変化の検出に一般化した。中心化累積和を用いた統計量に加えて、尤度比を用いた統計量と基準化した中心化累積和を用いた統計量をそれぞれ導出し、これら3つの統計量の帰無分布を求める方法を与え、指数分布からの独立な観測系列の場合について具体的に計算した。
そして、母数の変化があるという対立仮説のもとでの3つの統計量の分布を求める方法を与え、指数分布からの独立な観測系列の場合について3つの統計量の検出力を評価した。
その結果、変化点が系列の中心に近いときは、中心化累積和を用いた統計量の検出力が高くなり、変化点が系列の両端に近いときは、尤度比を用いた統計量の検出力が高くなるという結論を得た。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

児島洋一,独立な観測系列における母数変化の検出法,東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻 修士論文,1997年2月


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

現在,統計量の帰無分布の計算方法を考え,実際に数値積分を行って計算を行うことを計画しているが,その際に大規模な数値計算を行う必要がある。もし,統計数理研究所内の高速な計算機環境を利用することができれば,より詳細な計算結果を早く得ることができ,研究がはかどると思われる。よって,この研究を統計数理研究所との共同研究として実施することを希望する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

川鍋 一晃

東京大学

児島 洋一

東京大学大学院