平成202008)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

20−共研−4405

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

サンゴメタ集団再生に向けたオニヒトデ駆除計画への取り組み−時空間モデルによる動態予測−

重点テーマ

フィールド生態学と統計数理

フリガナ

代表者氏名

サカイ カズヒコ

酒井 一彦

ローマ字

Sakai Kazuhiko

所属機関

琉球大学

所属部局

熱帯生物圏研究センター

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

97千円

研究参加者数

3 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

沖縄本島周辺のサンゴ群集は、1998年のサンゴ白化現象により壊滅的打撃を受けた。その回復にはサンゴ幼生の新規加入が必須であるが、プランクトン幼生の供給源である慶良間列島では再発生したオニヒトデにより親サンゴが捕食されている。サンゴ群集の局所動態、幼生の分散、オニヒトデの移動など、様々な空間スケールの動態を考慮したオニヒトデの管理計画が求められている。本研究では、まずサンゴ群集の空間動態を、空間統計学的手法を用いて明らかにすることを目的とした。
 サンゴは幼生期に海中を浮遊し、他の生物が居ない空き空間に着底する。その場に固着して成長するが、近傍が込み合い空き空間がなくなると、それ以上大きくなる事はできない。しかし中には、触手を伸ばして近隣個体を攻撃する競争能力に長けている種もおり、相手個体の境界域を部分的に殺すことによって、自分が成長する空間を確保する。このような空間を巡る間接的/直接的競争は、個体の分布や集中度などの空間配置に影響を及ぼすと考えられるが、今まで統計的な解析は行われてこなかった。
 本研究では、サンゴ群集調査の一般的手法である方形区の個体配置地図を対象に、空間解析の手法を用いて、種の分布や新規加入個体の空間配置、加入個体/親個体の死亡率が、個体の競争能力の優劣にどのような影響を受けるかを調べる。また、前年度に開発した、個体サイズを考慮した空間統計量を発展させ、既存の統計量と比較することで、個体間でサイズが大きく異なる固着性生物の空間動態の特徴を明らかにする。さらに、種多様性が高い亜熱帯域の沖縄と、種多様性が低い温帯高緯度域の天草のデータを比較し、空間動態に違いが見られるかを検討する

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

島谷 健一郎

統計数理研究所

向 草世香

九州大学