平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−47

専門分類

5

研究課題名

結晶群の出現頻度とランダムウオーク

フリガナ

代表者氏名

イトウ ヨシアキ

伊藤 栄明

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

9 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

無機結晶の対称性の統計的分布についてデータベースICSD及びCRYSTMETを用いて調べてきた。各ANX記号ごとに統計的分布をもとめて、それに群、部分群関係のうえでのランダムウオークの平衡分布をあてはめる。このことより出現頻度について、群、部分群関係という視点からの理解を試みる。出現しやすい結晶構造はなにかについて幾何学的及び化学的な考察を行なう。このことから膨大な無機結晶データについて統計的に接近する一つの方向を示すことを目的とする。


非金属無機結晶データベース(ICSD)の化学組成、空間群、単純単位格子体積をもちい、逐次的に点群の出現頻度を求める方法を、CRYSTMET(金属無機結晶データベース)に適用し、点群の出現頻度を求めた。
その出現頻度(藤原、伊藤、松本、武田(1996))より、群、部分群の関係に基づいて、前年度に提案した250個の群の上のランダムウォークのモデルにより、出現頻度を説明することを、試みた。シミュレーションを大量に行ない、情報量統計学に基づいてモデルを議論した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

伊藤栄明,杉本真貴子 結晶群のうえのランダムウォークと結晶群の出現頻度、統計数理研究所共同研究リポート98, 1997


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

結晶の対称性についてランダム生成モデルについて研究を行ってきた。データベースICSD、CRYSTMETをもちいて、それを更に進め、結晶群のうえのランダムウオークのモデルを提案し、計算機実験を行ない平衡分布を求める。対称性のたかさ、立方か六方か、等のパラメータをいれAICを計算することにより、モデルについての検討を行なう。データベースICSDには結晶構造を3次元的に画面に表示するソフトがある。これを用いて結晶群のうえのランダムウオークのモデルについて、メカニズムにたちいった考察を行なう。すなわち個々の例にもとづいて個別な考察をつみあげ、統計的な解析結果の化学的意味について考える。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大隅 一政

高エネルギー加速器研究機構

小川 泰

筑波大学

武田 弘

千葉工業大学付属研究所

種村 正美

統計数理研究所

細谷 将彦

琉球大学

前原 濶

琉球大学

松本  生

金沢大学

山本 昭二

無機材質研究所