平成クオ1989)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−29

専門分類

4

研究課題名

順位データのグラフ表現法の研究

フリガナ

代表者氏名

シラハタ シンゴ

白旗 慎吾

ローマ字

所属機関

大阪大学

所属部局

教養部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

データをグラフに表現することは,データの直感的解釈を可能にし,データ解析を容易にする。しかしながら,グラフ表現そのものは直観には訴えるが,必ずしも理論的研究には結びついていない。本研究では,特に順位データに対し,グラフ表現の特徴を反映した統計量の構成とその分布論の展開を行うことを目的とする。


本研究では,順位データ・多変量データをグラフ表現することにより,その本質を直観的に把握しやすく加法すること,その直観を表現した統計量を構成し数理的性質を捉えること,を目的とした。当初は共同研究者白旗・馬場・脇本が統計数理研究所に集まり,何度か議論の場を持つ予定であったが,旅費の制約,および脇本の大学の管理に関する所用のため,主に白旗が馬場を訪ね討論を行なったのみで,脇本による研究費の使用はほとんどなかった。
研究は個別に行なわれた。各共同研究者の研究実施状況および成果は以下の通りである。
白旗はk標本問題における順位表現法およびその数学的性質の研究を継続した。結果は論文として統計学会誌に投稿中であり,現在,改訂版を提出している。k標本問題における従来のノンパラメトリック統計量は,図的表現によってデータを把握することは全く考慮されていなかった。この論文ではグラフ表現から考えられる統計量の漸近分布や効率を求め,従来のノンパラメトリック法による統計量と比較している。標準的な統計量と比較して,必ずしも効率が高くはないが,実用上有用な形をしている。馬場は,順位データのグラフ表現法を多くの実際のデータに適用し,応用上貴重な知見を得ている。また,その表現法を応用する際の便のため,シート(確率級)を作成している。脇本は従来から行なっている多変量データの漢字表現について,その実際のデータへの応用研究を継続し,各種店舗等を視覚的・総合的に捉える方法の開発を行なっている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

白旗慎吾 Rank tests for the k−sample problem based on a linked line chart.統計学会誌(投稿中)
白旗慎吾 2標本問題における不完全U−統計量.第3回計算機統計学会大会論文集 39−42
脇本和昌 乱数生成とその評価について
第3回計算機統計学会シンポジウム論文集 83
馬場康維 Linked vector representation of distribution and its applications
第3回日中統計シンポジウム論文集


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

白旗・馬場・脇本は共同して,もしくは単独にデータのグラフ表現法と統計量の開発を行い星座グラフ,連結ベクトルパターン,Linked line chart等のグラフ表現法とそれに導かれる統計量を構成し,適合度検定,多次元データの表現,一致検定等に応用してきた。本研究ではさらに各種の統計的問題に応用し,その理論的・実証的研究を行う。グラフ表現法としては,点,線,円弧の単純なる要素を組み合わせた方法を主とし,それらを組合わせて探索的に手法の開発を行う。グラフ表現の性質から,研究にコンピュータの使用は欠かせず,コンピュータの使用に便利な統計数理研究所での共同研究が最も適切である。さらに,研究経費として,共同研究者による討論,情報交換のための旅費と,プログラム開発,データ打ち込みの賃金を使用する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

馬場 康維

統計数理研究所

脇本 和昌

岡山大学