平成クオ1989)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−32

専門分類

5

研究課題名

複雑なシステムの理解をめざして

フリガナ

代表者氏名

イバ ユキト

伊庭 幸人

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

11 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

認知,進化,高自由度力学系などの複雑なシステムを数理科学の観点からどう扱うかという問題に対して学際的な交流をはかる。


(研究会)
過去2年間,非線型力学系,生物数学,知的情報処理などをめぐる研究会・学習会を計4回にわたり統数研で行ってきた。今回は“進化をめぐる最近の話題”というテーマで当該分野の講師をまねいて講演をしていただいた(平成2年1/29〜1/30)。主として生理学者・統計学者からなる多数の出席者があった。幸いこの分野の超一流の研究者ばかり9人に各1時間ずつ話していただくことができ,充実した内容の研究会であった。物理学者や一般に数理的,統計的な方法論を用いる研究者の間で,進化の問題への興味が高まっているなかで,学習会という意味できわめて有意義であったと思われる。数理的方法を用いた研究の今後の発展に役立つことを期待している。
(その他)
メンバーの1人(池上)は統数研に2回出張し,金子,伊庭及び長谷川教授と進化のコンピューターシミュレーションについて議論した。池上のモデルは生物間の共生関係をあつかうもので,最近の進化論の動向をとり入れた新しいものである。
(なお共生の問題については上記の研究会でもさかんに議論された)。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

池上高志 日本物理学会 秋の分科会(鹿児島大) 1989.10
池上高志 日本物理学会 春の総会(大阪大基工) 1990.4
*ともに生物進化のコンピューターモデルについて。


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

過去2年間にわたり,上記の目的の研究会を3回にわたり開いた。
第一回(87年1月)は非線系力学系と生物数学,第二回(87年9月)は進化や知能の問題に対する数理科学的アプローチ,第三回(88年6月)は大規模システムにおける情報処理と統計物理・力学系の関連についてそれぞれ扱い,それぞれの分野に共通な問題意識や技法を明らかにすることができ今回も以上の成果をふまえて,分野横断的な研究会を行いたい。具体的には1.進化と適応的システム2.認知科学(情報処理・脳研究・文化的側面の相互関連)などのテーマを考えている。
また,大テーマについての研究会の他に,トピックをしぼった少人数でのセミナーや小研究会を行うことも検討している。このように広い領域にまたがる研究が可能なのは理学関係では本研究所のみであり,このシリーズの研究会をつづけることには重要な意義があると思われる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

足立 聡

京都大学

池上 高志

東京大学

伊藤 浩之

京都産業大学

金子 邦彦

東京大学

小西 哲郎

名古屋大学

篠本 滋

京都大学

関本 謙

名古屋大学

武末 真二

学習院大学

田村 義保

統計数理研究所

都築 俊夫

東北大学