平成12（2000）年度　一般研究１実施報告書

課題番号	12−共研−1013	専門分類	5
研究課題名	複雑系の相転移の数値的研究
フリガナ 代表者氏名	オノ イクオ 小野 いく郎	ローマ字	Ono, Ikuo
所属機関	日本女子大学
所属部局	理学部
職　　名	教授
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研究目的と成果（経過）の概要

混合液晶のシミュレーション:長短の分子を混合した系の相転移を研究する。

MD法により,剛体棒状の液晶と剛体球の混合体の相転移と相分離を調べ,相図を
求めた。ネマチック相では球の割合が増加することにより,異方性の秩序は減少し,
等方相に移行する。スメクチック相では球は層間にサンドイッチ状に分布する。
さらに球の割合が増加するとスメクチックの層が壊れ,球の海に棒状の分子は
島状に分布し,相分離が起こる。

1次相転移における非平衡緩和:非平衡緩和の際の動的臨界指数や,関連する静的
臨界指数をミクロカノニカル法によるモンテカルロシミュレーションにより求める。
関連する統計的な解析を行う。

10状態ポッツ模型において,ミクロカノニカルのエネルギー値を変化させながら,
秩序変数の時間減衰を計算した。秩序変数が0となるエネルギー値においてのみ,
秩序変数の冪的減衰が観察された。秩序変数の動的指数を求めた。

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

論文
Yukiko Sakurai and Ikuo Ono:
Simulations on phase separations on mixtures of two kinds of liquid
crystal molecules.
Molecular Crystals and Liquid Crystals vol 346 137(2000)
研究会発表報告
Yukiko Sakurai and Ikuo Ono:
Molecular dynamical simulation on phase diagram of mixture hard rod-like
Molecules and spherical molecules.
PP2000 International Symposium on Polymer physics Reprint 30-31(2000)
(Huanshang,China)
Ikuo Ono:
Investigations on phase diagrams of pure and mixed liquid crystals by
Molecular dynamics simulation.
The 2nd Joint Forum of JWU,Ochanomizu U.,EWU for the Promotion of
Education
and Research in Science for Women in the 21st Century p.4
(at Ewha Womans Univ.,Seoul,Korea)
学会発表
　加園克己,尾関之康
ミクロカノニカルモンテカルロ法における2次元q=10ポッツ模型の非平衡緩和
日本物理学会第55回年会(新潟大)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究参加者一覧
氏名	所属機関
加園 克己	東京慈恵会医科学大学
桜井 由樹子	日本女子大学
田村 義保	統計数理研究所