平成23(2011)年度 重点型研究実施報告書
課題番号 |
23−共研−4306 |
分野分類 |
統計数理研究所内分野分類 |
d |
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主要研究分野分類 |
3 |
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研究課題名 |
日本人を対象とした集団ゲノム学 |
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重点テーマ |
ゲノム多様性と進化の統計数理 |
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フリガナ 代表者氏名 |
ヤマグチ ユミ 山口 由美 |
ローマ字 |
Yamaguchi Yumi |
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所属機関 |
独立行政法人理化学研究所 |
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所属部局 |
ゲノム医科学研究センター 情報解析研究チーム |
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職 名 |
研究員 |
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配分経費 |
研究費 |
40千円 |
旅 費 |
0千円 |
研究参加者数 |
2 人 |
研究目的と成果(経過)の概要 |
ハプロタイプの構造と頻度を理解することは、多型マーカーを用いた関連解析において有用であるし、さらにはヒト集団の歴史や着目する多型アリルの歴史を推論するときにも有用である。本研究では、日本人集団のハプロタイプカタログを作成するために、ゲノムワイドなデータなジェノタイプデータを用いて、ハプロタイプ決定とハプロタイプ頻度推定を行った。日本人集団は大まかに2大クラスター(本土クラスターと琉球クラスター)に分かれることが、ゲノムワイドなSNPジェノタイプの解析の結果より分かっているので、18379人の本土クラスターと504人の琉球クラスターそれぞれについて、ハプロタイプ解析を行った。すべての常染色体上の388591箇所のSNPジェノタイプデータを用いて、ゲノム領域を短い領域に分割して、ハプロタイプ決定と頻度推定を行った。推定されたハプロタイプ頻度を2つのクラスター間で比べると、大部分のゲノム領域でよく似ていたが、ハプロタイプ頻度に違いのあるゲノム領域も検出された。そのようなゲノム領域に含まれる遺伝子では、生物学的機能に偏りが見られ、免疫系、細胞接着、細胞内シグナル伝達などに関わる遺伝子の割合が高くなっていた。この解析で得られた本土クラスターと琉球クラスターの間で分化の程度の高いゲノム領域、遺伝子、SNPの情報は、以下の点で役立つ可能性がある。まず、分化の程度の高いゲノム領域は、GWASで偽陽性の起こりやすい領域として認識しておくと良い。次に、分化の程度の高いSNPは、祖先の情報を持つSNPとして、個人がどの集団(クラスター)に含まれるかを判別する解析に利用できる。さらに、分化の程度の高い遺伝子の中には、本土の人と沖縄の人の表現型の違いに関わるものを含んでいる可能性があるので、さらなる研究に活用できる。 |
当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等) |
論文発表 |
研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。 |
統数研研究会での講演(12月19日) |
研究参加者一覧 |
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氏名 |
所属機関 |