平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−99

専門分類

8

研究課題名

心理的ストレスと健康に関する統計的研究

フリガナ

代表者氏名

ハヤシ フミ

林 文

ローマ字

所属機関

東洋英和女学院大学

所属部局

人間科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

社会や文化の心理的要因から受ける心理的ストレスの健康への影響のダイナミックの分析をめざしているが,本研究では,これまでにほぼ完成させた実用可能なストレス測定のための調査票をもとにして,ストレスと健康の関係,文化とストレスの関係を探ることを目的とする。


本年度は、昨年度まで研究してきたアイゼンクのストレス受容の仕方によるパーソナリティテストの他、アイゼンクの別のテストを用い、一般人や患者のQOLとパーソナリティの関連を研究した。QOLの調査票も本共同研究メンバーがここ数年の別の研究によって作成したものであるが、本人の自己判断によるQOLであるため、性格特性により、その評価が異なってくることが分析され、一般的に、QOL調査におけるQOL尺度の解釈に性格特性を考慮する必要のあることを示した。
また、性格は国民性につながるが、日本人とハワイの日系人、ブラジル日系人の、世代による変化と共通の様相を明らかにした。日系人に根強く残る日本人の国民性は、様々な点で影響を与えていると考えられるが、ストレス受容のあり方やQOLについても、日系人の調査が必要であり、その実現に向けて、シアトルの日系研究者との研究連絡を行っている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

山岡和枝、林文、林知己夫、重久剛、渡辺満利子:性格特性のQOL測定への影響.健康心理学会誌(予定)
山岡和枝、小林廉毅:医療と社会の計量学.朝倉書店.1994
山岡和枝. 性格特性のQOL測定への影響.日本癌病態治療研究会.1995.9
Yamaoka, K. Influence of personaloty on QOL measurement. IFCS '96. 1996.3

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

ストレスの受けとめ方によるパーソナリティのテスト(アイゼンクによる)を翻訳した調査票は,予備的調査データの分析から実用可能性がわかってきており,テスト項目を減らして簡素化してもなおパーソナリティの型分類が可能であることがわかってきた。本年度は,その簡素化した調査票を用いて,社会・文化的要因の違いによるストレスとその受容の仕方の比較のための在米日系人調査,国内での一般人対象の調査も実施する。これらの調査は別組織で行われるが,本研究では,医学(公衆衛生学)の統計的分析や,国民性調査,ハワイ・ブラジルの日系人調査,日米を含む5ヵ国調査などとの関連も深く,統計数理研究所との共同研究が必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

馬場 康維

統計数理研究所

林 知己夫

統計数理研究所

山岡 和枝

帝京大学

吉野 諒三

統計数理研究所