平成29(2017)年度 一般研究1実施報告書
| 課題番号 | 29−共研−1005 | 分野分類 | 統計数理研究所内分野分類 | a | ||
| 主要研究分野分類 | 5 | |||||
| 研究課題名 | 安定的血流低下に貢献するステントストラット間距離の探索 | |||||
| フリガナ 代表者氏名 | オオタ マコト 太田 信 | ローマ字 | Ohta Makoto | |||
| 所属機関 | 東北大学 | |||||
| 所属部局 | 流体科学研究所 | |||||
| 職 名 | 准教授 | |||||
| 研究目的と成果(経過)の概要 | 
| 血管壁が瘤状に肥大化する病気である脳動脈瘤の治療法に血管内治療がある.近年ではフローダイバータステント(FD)と呼ばれる,動脈瘤内の血流を低減させ血栓化を促す医療デバイスが注目を集めている.現状のFDは一様に密なストラットで構成されており,低多孔率のため親血管が血栓で塞栓する可能性が指摘されている.これに対して,近年では最適化と呼ばれる手法を用いて,高多孔率でありながら血流低減効果の高いステント形状の探索が行われている.しかしながらこれまでの研究において,最適化は多数の計算モデルを必要とすることから,微細なFD表面形状に適合した計算格子を作成するために作業者に大きな負担がかかることや計算時間が大量になることが指摘されていた.例えば,通常微細なFD表面形状の計算格子作成には1週間程度を要し,時には格子作成が困難な場合もある.これは,FD表面形状のスケールと動脈形状のスケールには約200倍程度の差があり,そのスケール差に適合した計算格子形状の作成パラメータを見つけ出すのが困難なためである.そこで申請者らは理想形状動脈瘤に対し,格子ボルツマン法と擬似焼きなまし法を組み合わせることにより,ステント形状作成,計算格子生成,数値流体計算,血流低減効果の評価の一連の過程を自動化した,ステント形状最適化プログラムの開発を行い,自動化プロセスの有効性を示した.その結果,これまでの動脈瘤への流入を妨げるためには,流入領域にストラットが配置されることが重要であると示唆された.また,昨年度は,ストラット位置が血流に及ぼす影響について,ストラットが取り得る位置全ての探索を行い,ステントの持つ血流への影響を調べた.このことから,最小限の労力で最適なステントへの加工変更を可能となってきた.さらに,今年度は,ステントストラットが数個あるうちに,コンビネーション的に血流を低下させる方法を探索する事で,ストラット一本の影響から数本単位で影響を考慮できるプログラムを開発する. | 
| 当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等) | 
| Kazuhiro Watanabe, Hitomi Anzai, Makoto Ohta | 
| 研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。 | 
| Kazuhiro Watanabe, Hitomi Anzai, Makoto Ohta | 
| 研究参加者一覧 | |
| 氏名 | 所属機関 | 
| 安西 眸 | 東北大学 | 
| Zhang Mingzi | 東北大学 | 
| 中野 慎也 | 統計数理研究所 | 
| 渡邉 和浩 | 東北大学 |