平成212009)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

21−共研−1018

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

2

研究課題名

現象理解のための大規模データ同化手法開発

フリガナ

代表者氏名

ナカムラ カズユキ

中村 和幸

ローマ字

NAKAMURA KAZUYUKI

所属機関

明治大学

所属部局

研究・知財戦略機構

職  名

特任講師

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

大規模非線形現象を理解するための有力な手法である,データ同化手法の研究開発を行うことを目的として研究をすすめた.
データ同化とは,コンピュータシミュレーションと時空間実測データを融合する手法である.これにより,一方のみでは得られない知見の取得やシミュレーション性能の向上等が可能となる.本研究では具体的な対象である遺伝子ネットワーク,地盤変形,津波などを念頭におき,諸条件下での適切な統計的・数理的モデリング,データの前処理などがどのようなものであるかを示すことを目的とした.
本研究においては,以下の成果が得られた.まず,地盤変形や遺伝子ネットワークモデル,津波シミュレーションモデルに共通して現れる構造を検討し,逐次データ同化のためにはイベント駆動型システムとして定式化するのが適切であることを見出し,その表式を与えた.ついで,イベント駆動型システムにおけるオンラインパラメータ推定の手続きを検討し,粒子フィルタにおける実装を与えた.以上の点について, Lorenz 96 モデルにイベント駆動項を加えたデータ同化数値実験を行い,有効性に関する示唆を得た.今後,数値実験結果を加えてさらに検討するとともに,成果を学会等において発表する.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

<研究会発表>
中村和幸,「非線形時系列解析とイベント駆動システム」,複雑系現象の時系列解析6 −経済・数論・物理現象−,明治大学駿河台校舎,5月20日(予定).
<学会発表>
中村和幸,「イベント駆動型システムに対するモデリングとデータ同化」,第59回理論応用力学講演会,学術会議,6月(予定).

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

樋口  知之

統計数理研究所