平成162004)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

16−共研−2006

専門分類

1

研究課題名

離散確率分布とその統計的応用の研究

フリガナ

代表者氏名

ヒラノ カツオミ

平野 勝臣

ローマ字

Hirano Katuomi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計基礎研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

不規則な離散系列において連やパターンに関する統計量の分布と統計的応用の研究の成果が,近年,
あいついで本にまとめられている。この背後には確率モデルとしての興味の他に,工学的システムの信
頼性や品質管理などの統計的応用やDNA系列の統計的解析に有用な道具を提供していることが考えら
れる。
 これらへの応用上,連やパターンのみならずスキャン統計量や複数のパターンに関するより複雑な問
題への研究が望まれている。これに伴い,解析のための道具として確率生成母関数法やマルコフチェイ
ン埋め込み法の開発から利用技術の改良へと発展している。更に,計算機と数式処理ソフトの改良がこ
れまでギリギリとされた研究の壁を破り成果をあげる一因にもなっている。
 例えばDNA系列のマッチングの問題を含むスキャン統計量の待ち時間問題の結果,また,あるパター
ンが起こるまでにサブパターンの起こる回数の分布についての理論的に美しい結果などが得られてい
る。
 これら一連の研究過程から得た技術をもとに,不規則な離散系列においての待ち時間問題とその統計
的応用について研究を行った。
 これまでの研究に関連した成果。2次元パターンの待ち時間の確率分布の正確な確率の計算および統
計的応用として工学的システムの信頼度について調べた。この結果が雑誌に掲載された(2002年度の
共同研究に関連した成果)。また日本数学会で発表した。
 2値の高次マルコフ系列において長さ有限の1の連がはじめて起こるまでの待ち時間分布の確率生成
母関数の導出に成功し,テクニカルレポートにまとめた。また2004年度統計関連学会連合大会で発表
した。
 2値のマルコフ系列おいてある制限を伴った場合の長さ有限の1の連がはじめて起こるまでの待ち時
間分布と統計的応用問題としてある工学的道具の立ち上げテストの信頼度の統計解析を調べ,テクニカ
ルレポートにまとめた。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

[論文]
Aki,S.and Hirano,K.Waiting time problems for a two-dimensional pattern.Annals of the Institute
of Statistical Mathematics,56,169-182,2004.
[学会発表]
安芸重雄,平野勝臣。成功連の待ち時間分布。2004年度統計関連学会連合大会 2004.9.5。
井上潔司,安芸重雄。Runs on a circle.2004年度統計関連学会連合大会 2004.9.5。
安芸重雄,平野勝臣。2次元離散パターンの待ち時間。日本数学会 2005.3.28。
[プレプリント]
Aki,S.and Hirano,K.On the waiting time for the first success run.Research Memorandum ISM No.899,
2004.
Aki,S.and Hirano,K.Waiting time distributions for a run with additional constrains.Research
Memorandum ISM No.935,2005.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

安芸 重雄

関西大学

井上 潔司

成蹊大学