平成302018)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

30−共研−4102

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

6

研究課題名

医療・看護・保健分野におけるデータサイエンティスト育成のためのシステム構築の検討

重点テーマ

データサイエンス人材育成メソッドの新展開

フリガナ

代表者氏名

タンノ キヨミ

丹野 清美

ローマ字

Tanno Kiyomi

所属機関

立教大学

所属部局

社会情報教育研究センター

職  名

助教

配分経費

研究費

40千円

旅 費

464千円

研究参加者数

13 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

・研究目的
 本研究は、ヘルスケア分野のデータサイエンティストとしてヘルスケア分野に関する課題の解決に取り組んでいこうとする者に、技能の習得と研修の場を提供し、各種の適切な教育を実施するための人材育成システムを構築するための検証を行うことを目的とする。

・研究計画
 ヘルスケア分野のデータサイエンティストに求められているのは、データの持つ特徴を分析、得られた結果を解釈し、実用提案可能な情報にする能力と、専門家とともに情報を解釈・意味付けする能力である。数理的に最適な解を求めるだけでなく、ヘルスケア関連ビジネスの意思決定に役立つ解を導き出すことが重要である。
 以上のヘルスケア分野のデータサイエンティストに求められている能力を育成するために、技能の習得のための研修、ヘルスケアデータを扱うことによる倫理的配慮等の要件等を検証する。
 具体的な内容は、以下の通りである。
1. ヘルスケア分野のデータサイエンティストに必要な能力・スキルの習得と向上
2. ヘルスケア分野のデータサイエンティストに必要な倫理的配慮
 平成30年度は、ヘルスケア分野のデータサイエンティストの職掌を明確にし、望まれる能力を整理し、適切な教育を実施するための教育システムを構築していく。

・研究成果
 平成30年度の成果は、研究計画1のヘルスデータサイエンティストに必要な能力を整理・明確にしたことである。必要な能力をCompetency Domainとし、8つのDomainにまとめた。現在はさらにDomainに付くStatementを整理している。最終的にはCompetency based curriculumとして教育プログラムを完成させることを目指す。
 さらに今後はヘルスケア分野のデータサイエンティストの行動規範(倫理的配慮)の作成に取り掛かる。
 

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

【論文(解説)】
・渡辺美智子, 山内慶太, 中島孝, 丹野清美, ヘルスデータサイエンティスト協会におけるリアルワールドデータ利活用とアナリティクス人材の育成, 横幹,13(1), 4-14, 2019
・丹野清美, 中島孝, サイバニックスーツHAL医療用下肢タイプによる歩行運動療法を行う患者の主観的評価に関する研究, 横幹,13(1), 23-29, 2019

【雑誌】
・丹野清美, 特集:看護テクノロジー Part2『データヘルス改革における医療・看護の展望 データヘルス改革の概要とヘルスデータサイエンティストの必要性』, 看護展望2019年1月号, メヂカルフレンド社

【講演】
・丹野清美, 「後悔」はどこからやってくるのか?:「後悔」研究者の立場からー「おまかせ」しない医療に向けて:患者と医療者は何をシェアしていくべきか??, Mindsフォーラム2019, 公益財団法人日本医療機能評価機構, 2019年1月12日
・丹野清美, ヘルスデータサイエンティストの専門職掌, 第56回日本医療・病院管理学会学術集会ランチョンセミナー, 2018年10月27日
・丹野清美, ヘルスデータサイエンティスト人材育成の展望~Society5.0における新たな価値創造の実現~, オデッセイユニバーシティー, 2018年10月19日
・丹野清美, 難病患者の期待や思いを測るPRO〜SEIQoLから選択を測る意思決定支援尺度(日本語版DRS)まで〜,
日本難病看学会 教育セミナー3, 2018年7月22日
・丹野清美, 統計教育の方法論ワークショップ「ヘルスデータサイエンティストのコンピテンシー及び教育プログラム」The 15th Japan Conference on Teaching Statistics (JCOTS18), 2018年7月7日

【研究会】
・丹野清美, ヘルスケア分野におけるデータサイエンティストコンピテンシー, 平成30年度共同利用 重点型研究「データサイエンス人材育成メソッドの新展開」研究集会, 2019年2月22日
・丹野清美, クロージングセッション「ヘルスデータ サイエンティスト専門職育成のためのコンピテンシー」, 第2回ヘルスデータアナリティクス・マネジメント研究会〜リアルワールドデータ利活用によるファーマデータサイエンスの未来〜, 2018年11月17日
・丹野清美, 患者の主観的評価(日本語版Decision Regret Scale)の統計解析手法と今後のヘルスデータサイエンティストについて, 第1回ヘルスデータアナリティクス・マネジメント研究会〜ヘルスケア領域におけるリアルワールドデータ利活用の展望〜, 2018年4月14日

【研究費】
1. 採択補助金名:科学研究費
研究種目:基盤(C)
研究課題番号:18K09987
採択テーマ:歩行運動治療を行う希少神経筋疾患患者の意思決定評価に関する研究
研究期間:2018年4月〜2022年3月
資金名称:日本学術振興会
研究代表者:丹野清美
研究分担者:中島孝, 渡辺美智子
2. 採択補助金名:平成30年度公募型共同利用
研究種目:重点型研究
研究課題番号:30-共研-4102
採択テーマ:医療・看護・保健分野におけるデータサイエンティスト育成のためのシステム構築の検討
研究期間:2018年4月〜2019年3月
資金名称:大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所共同利用
研究代表者:丹野清美
研究分担者:田中朋弘, 池田漠, 河村英将, 朴相俊, 藤井良宜, 渡辺美智子, 山内慶太, 岡檀, 中島裕之, 高橋邦彦,
  脇克志


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

第1回ヘルスデータアナリティクス・マネジメント研究会
〜ヘルスケア領域におけるリアルワールドデータ利活用の展望〜
2018年4月14日, 立教大学, 参加者人数約200名

第2回ヘルスデータアナリティクス・マネジメント研究会
〜リアルワールドデータ利活用によるファーマデータサイエンスの未来〜
2018年11月17日, 実践女子大学, 参加者数約150名

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

池田 漠

慶應義塾大学医学部

岡 檀

統計数理研究所

河村 英将

群馬大学

高橋 邦彦

名古屋大学

田中 朋弘

熊本大学

中尾 裕之

宮崎県立看護大学

朴 相俊

公益財団法人 身体教育医学研究所

藤井 良宜

宮崎大学

山内 慶太

慶應義塾大学

脇 克志

山形大学

渡辺 美智子

慶應義塾大学