昭和601985)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

60−共研−50

専門分類

9

研究課題名

森林環境に関する統計的研究

フリガナ

代表者氏名

イシダ ショウジ

石田 正次

ローマ字

所属機関

 

所属部局

職  名

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

生活環境としての森林の最適配置とその管理法を統計的立場から研究する。なおこの研究は環境庁研究費による「生活環境としての森林の有効利用とその保全に関する統計的研究」(統計数理研改組のため59年度で打切り)(環境庁研究費)の経継的な意味もある。


長野県伊那市及び山形県羽黒町において,地域住民の生活環境としての森林の実態調査を行った。調査内容は地形,林相別森林配置;林道別通行量;通行人と森林との関係(通行目的)である。
この調査結果と前年環境庁研究費で実施した森林に関する住民意識調査の結果との関連性を解析した。
現在までに得られた主な結果は次のようなものである。
1.自然環境についての意見と行動はほとんど一致しない。つまり自然環境の重要性を強調する人口が自然を愛し,森林を楽しんでいるとは限らない。意見や態度は観念的であり,抽象的である。
2.森林を訪れる人々は山菜,茸の採取や森林施業に従事する目的が多く,リクリエーションのために森にくる人も祭とか林の行事に関係することがほとんどである。
3.森林の中でどのような行動をとるか,まだどんな範囲を歩くかの調査では,ある特定の目的地を持ち,極く狭い範囲のみで行動するものがほとんどである。
4.林相と行動目的の関係はほとんど一意的に決めれる。つまり,山菜のでそうな山,茸のとれそうな山が目的地になってくる。この意味ではヨーロッパでみられるような森林の中を広く歩きまわって自然を楽しむといった傾向はまず存在しないといえる。
以上のような理由から頭初考えていた森林行動のモデル化といった問題はほとんど意味をもたないことがわかった。この辺がヨーロッパと日本の本質的な相違点といえる。来年度は以上の結果を配慮して研究計画を基本的に変更する必要がある。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

昭和61年4月日本森学会で研究の一部を発表した。


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

伊那(長野県),羽黒山(山形)で行ってきた調査の残り部分(林相調査を主とする)をまず完了し,これまでの二ケ年間のデータと合せて,統計的分析をする。次にその結果を利用して森林の利用,配置,管理の方法を統計モデルのシミュレーションによって検討する。更に東大秩父演習林の実際の場において利用と管理方式の実験を行う。なおこの実験は実験計画の客員教授として予定している東大南雲教授が担当する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

赤坂 信

千葉大学

今永 正明

鹿児島大学

北村 昌美

山形大学

菅原 聰

信州大学

南雲 秀次郎

東京大学

仁木 直人

東京理科大学