平成212009)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

21−共研−2063

分野分類

統計数理研究所内分野分類

i

主要研究分野分類

2

研究課題名

人工衛星データ復元に関する組合せ最適化モデルの構築

フリガナ

代表者氏名

イケガミ アツコ

池上 敦子

ローマ字

Atsuko Ikegami

所属機関

成蹊大学

所属部局

理工学部 情報科学科

職  名

准教授

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究は, 人工衛星Geotail によって取得され「2 次元ヒストグラム+ 10 個の統計量」の形で
圧縮されたプラズマ粒子の分布の大量データを, 組合せ最適化の手法を駆使することにより3 次
元ヒストグラムに復元するための研究の2 年目である.
観測されたプラズマ粒子3 次元速度分布データ(速度32 ランク×円周16 方向×上下7 方向=3584
ポイントで観測されたプラズマ粒子の個数)を3584 の変数,2 次元ヒストグラムとの関係式を拘束
条件とし,統計量計算の10 式の左辺(変数を使った計算式)と右辺(受信した統計量)の差をゼロ
に近づけるような定式化がなされた混合整数計画問題に対し,高速な汎用ソフトウェア(cplex)を
利用しても現実時間内で解を得られないこと(得られても非常に小さなサイズ:総プラズマ粒子数
が50 程度まで)が,これまでの研究でわかっている.この状況に対し,本年度は,2 次計画問題と
して扱った結果や,いくつかの緩和問題を設定して扱った結果を観察した.
2 次計画問題として扱った場合は,目的関数を線形で扱った場合に比べ,復元解を得る数が減る
と同時に実行時間が増大した.また,線形緩和した問題の解を四捨五入した解や,統計量計算式を
緩和した問題(10 式のそれぞれを組み合わせて緩和した複数の緩和問題)の解(実行時間内に解が
得られなかった場合は,ある時間で停止した際の暫定解)は,圧縮した7 方向にほとんど分散され
ることのない偏った解となってしまうことがわかった.
また,昨年度から引き続きおこなっている部分問題軸アプローチの適用においては,設定する目
的関数や,与えられた復元された解をどう評価するかについて検討を行っている.さらに,シミュ
レーテッドアニーリング法などの適用も検討している.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

■学会発表
田辺亮平,池上敦子,上野玄太,土谷隆: ""人工衛星から送られるプラズマ速度分布データの
復元"", 経営工学会春季大会,pp.8-9,2009.5
田辺亮平,山田篤彦,池上敦子,上野玄太,土谷隆: ""衛星観測プラズマデータ復元問題に対
する数理計画アプローチ"", スケジューリング・シンポジウム2009,pp.297-300,2009.9

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上野 玄太

統計数理研究所

土谷 隆

統計数理研究所