平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−50

専門分類

5

研究課題名

非線形マップ写像による記憶のモデル

フリガナ

代表者氏名

ハラ ヒロアキ

原 啓明

ローマ字

所属機関

東北大学

所属部局

大学院情報科学研究科

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

動物行動を解析する上で、生体が周りの環境をどのように認識し、学習・記憶して行くかを研究することは重要である。本研究では、記憶に関する系列位置効果を非線形マップ写像による数理モデルとして定式化する。


脳の記憶方式はアドレス方式とは異なる方式で行われているようである。我々はこの立場から、情報源に呈示されたパターンを神経細胞集団に相当する構成要素のクスターのグラフに写像し学習、記憶を行う方式を提案した。この数理モデルでは、記憶の時間変化は状態変化のグラフの変形として評価される。
つまり呈示されたパターンの順番を考えた系列位置効果(SPE)を具体的に求めた。呈示されたパターンの個数が10以上になるとSPEの特徴を表すU字曲線を得るためには、グラフで表された状態の粗視化が必要になった。この粗視化は記憶した項目に関するチャンキングに相当すると思われる。
また、複雑な系として構成要素の集団の動的な応答特性を調べる目的で、Riemann-Liouville積分に相当する積分核を得ることができた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Sang Seok Lee ,Hiroaki Hara and Yosiyasu H. Tamura   : A Nonlinear Map Model Describing Serial Position Effect (to be submitted)
原 啓明、小幡常啓、田村義保 :逆問題としての Riemann-Liouville積分 (共同研究レポート81)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

前年度の共同研究にひきつづき、生体が個体として周りの環境状態を学習しそれを検索可能な状態として記憶する”学習・記憶過程”を数理モデルを定式化する。この数理モデルは非線形写像マップで構築する。マップごとに個体の内部状態にゆらぎの効果を”時系列”として取り込む。この時系列の解析において統数研のプログラムを利用したい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

小幡 常啓

群馬工業高等専門学校

田村 義保

統計数理研究所