平成142002)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

14−共研−2001

専門分類

1

研究課題名

乱数生成法とその検定の研究

フリガナ

代表者氏名

タカシマ ケイゾウ

高嶋 恵三

ローマ字

Takashima Keizo

所属機関

岡山理科大学

所属部局

理学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本年度の共同研究では昨年度までの研究成果を踏まえ、まず擬似乱数生成法の一つ、実数シフト法の改良を試
みた。さらに実数シフト法やM系列擬似乱数などと、統計数理研究所のスーパーコンピューターや並列計算機
に実装されている物理乱数との比較を統計的検定により行った。
実数シフト法(Shift-Real法、SR法)は、コンピュータで浮動小数点演算を行い、n番目の乱数値を非
再帰的に(=直接)算出する新しい擬似乱数生成法である。この生成法は、内部に周期約10の15乗
の乱数列を1000系列ほど有しており、また乱数を直接生成するため並列計算に適している。しかし
ながら一度に得られる乱数値は10進で4桁であり、他の乱数生成法に比して見劣りする感は否めな
い。本研究は、このような状況において、乱数生成方法を見直すことにより、得られる乱数の桁数を増
やし、乱数生成の効率化を図ったものである。その結果として、計算量を増やさずに一度の計算で従来
の倍の10進8桁の乱数生成を可能にする実数シフト法を考案した。この高効率化に伴う乱数特性への
影響は、現時点では軽微なものと思われるが、発生する乱数の桁数が倍増しているため、従来のままの
乱数検定法では不充分であり、今後さらに特性の検証が必要である。
さらに、これらの研究と平行して、擬似乱数を用いた、確率平面場のシミュレーションの研究を行った。
従来から、例えば線形合同法は平面に散布する場合、ランダムネスが良くない、と指摘されてきた。こ
れは、主に2個の引き続く擬似乱数を用いてランダムに点を散布する場合、線形合同法が1次方程式に
より生成されることに起因するものであった。
しかしながら、平面上の格子点にランダムな値を配置する、確率平面場のシミュレーションにおいては、
線形合同法を用いる場合でも、画像処理で多用される微分フィルターを用いた統計的検定では十分に良
い検定結果が得られた。これらについてのされなる研究は次年度に持ち越された。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

(論文)
高嶋恵三:擬似乱数とRandom walk検定,Rokko Lectures in Mathematics 11,神戸大学理学部数学教室,2002,
41pp.
K.Takashima:Random Walk Tests and Pseudorandom Numbers,in Proceedings of The 6th World Multiconference
on Systemics,Cybernetics and Informatics,vol.11,Eds.N.Callaos,M.Margenstern,and B.Sanchez,
262-267,2002.
K.Takashima:On a Statistical Test for Pseudorandom Sheet,in Proceedings of International Conference
on Computer Vision and Graphics,vol.2,832-834,2002.
H.Yaguchi:Parallel Generation of Long-Period Nonrecursive Pseudorandom Numbers,in Proceedings
of The 6th World Multiconference on Systems,Cybernetics and Informatics,vol.11,Eds.N.Callaos,M.
Margenstern,and B.Sanchez,378-381,2002.
(学会発表)
The 6th World Multiconference on Systemics,Cybernetics and Informatics(2002年7月14-18
日、於 Orland,Florida,U.S.A.)に於いて
高嶋恵三:Random Walk Tests and Pseudorandom Numbers,を講演。
The 6th World Multiconference on Systemics,Cybernetics and Informatics(2002年7月14-18
日、於 Orland,Florida,U.S.A.)に於いて
谷口礼偉:Parallel Generation of Long-Period Nonrecursive Pseudorandom Numbers,を講演。
International Conference on Computer Vision and Graphics(2002年9月25-29日,於Zakopane,
Poland)に於いて
高嶋恵三:On a Statistical Test for Pseudorandom Sheet,を講演。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上田 澄江

統計数理研究所

谷口 礼偉

三重大学