平成23(2011)年度 一般研究2実施報告書
課題番号 |
23−共研−2064 |
分野分類 |
統計数理研究所内分野分類 |
h |
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主要研究分野分類 |
3 |
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研究課題名 |
セミパラメトリック推測理論に基づく不完全データ解析手法の開発と応用 |
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フリガナ 代表者氏名 |
ヘンミ マサユキ 逸見 昌之 |
ローマ字 |
Henmi Masayuki |
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所属機関 |
統計数理研究所 |
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所属部局 |
数理・推論研究系 |
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職 名 |
准教授 |
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配分経費 |
研究費 |
40千円 |
旅 費 |
55千円 |
研究参加者数 |
2 人 |
研究目的と成果(経過)の概要 |
医学研究に現れる生存時間データ、繰り返し測定データなどは、打ち切りや脱落を伴うことが一般的である。そのような不完全データに対しては回帰モデルなどの統計モデルの特定は非常に困難となり、より仮定の少ないセミパラメトリック推測法が、これらの分野ではよく発達してきた。モデルの特徴を生かした簡明な推測法の提案が数多くなされ、それらの中には十分に実用的なものも多く存在する。生存時間解析における加速モデル、加法ハザードモデルの推測法が例として挙げられる。一方で、セミパラメトリック推測法の一般論に基づく統一的な視点による解析手法の提案も最近になってなされてきている。例えば、Lu and Tsiatis (2008) は、無作為化臨床試験における共変量情報を取り込んで、 通常用いられるログランク検定よりも検出力の高い方法を、セミパラメトリック推測の一般論に基づいて構成している。本研究の目的は、医学データに動機付けられるさまざまな問題に対し、最近の一般論を有効に活用した統計的方法の開発を行うことである。本年度の成果としては、まず、本研究テーマの問題の1つとして以前から取り組んでいた、誤特定された場合のCox回帰モデルに対する推測法に関する論文が、生存時間解析を専門とする学術誌に採択された。また、Lu and Tsiatis (2008)の考え方を発展させて、ログランク検定の検出力を上げるための共変量選択の方法を考案したが、この結果について夏の統計関連学会連合大会で発表し、論文投稿を行った。さらに、因果推論における二重頑健推定量に層別の考え方を取り入れて推定量の(統計モデルの誤特定に対する)頑健性を高めるという研究も行ってきたが、これに対しても一定の結果を得て、論文を作成し投稿を行った。欠測データ問題や因果推論における感度解析(データから検証不能な仮定からのずれの影響を調べる)の方法論についても、セミパラメトリック推論の観点から検討中であるが、これについては次年度も引き続き研究を行っていく予定である。 |
当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等) |
論文発表 |
研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。 |
特になし |
研究参加者一覧 |
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氏名 |
所属機関 |
服部 聡 |
久留米大学 |