平成172005)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

17−共研−2048

専門分類

7

研究課題名

バイオインフォマティクスのための統計学

フリガナ

代表者氏名

フジサワ ヒロノリ

藤澤 洋徳

ローマ字

Fujisawa Hironori

所属機関

統計数理研究所

所属部局

数理・推論研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

11 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 現在,遺伝子情報に基づいて疾患関連遺伝子の発見を目指す研究が様々な所で行われている.これまでも,統計数理研究所でのプロジェクト研究で関連研究を行ってきたが,それはメンバーを絞り目的を絞ったものであった.この共同利用では,メンバーを広げて,より広範な議論を行って,さらなる研究の充実を目指そうと考えた.

まずは,採取されるデータの質や量が変わってきていることを再認識したい.遺伝子発現データは採取方法が変わり精度の上昇が期待されている.その先にある蛋白の発現データも十分に揃い始めている.SNPデータは今まで以上に高速でタイピングされるようになるであろう.また,SNPに関わるハプロタイプは既に十分に認識されているが,その中には今までの単純な理解では捉えにくいものも見られ始めている.

今回の共同利用では,成果が完全に期待される研究というよりは,上述したような採取されるデータの質や量の変化を意識し,加えて,今までの研究成果から発見された問題点を共有化し,次へのステップに進む契機としたかった.

主要なメンバーと様々な議論を行い,最終的には,それぞれのメンバーから広がっている共同研究者を一堂に会して,2006年1月16日に「バイオインフォマティクスと統計科学」というシンポジウムを開催した.バイオインフォマティクスと統計科学のそれぞれの立場からご講演をいただき,「データを解析する」という共通点を仲介にして,お互いの認識や思考や情報が広がるシンポジウムになればと企画した.当日は60名程度の参加者があった.専門分野としては,バイオインフォマティクスと統計科学とそのほかで,おおよそ同じ程度の割合だったようで,民間企業からも多数の参加者があった.講演は全部7件だった.シンポジウム全体を通して,質疑応答は非常に活発で,本当に有意義なシンポジウムであったと思う.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

論文
Yasuyoshi Kanari, Mario Clerici, Hiroyuki Abe, Hiroyuki Kawabata, Daria Trabottoni, Sergio Locaputo, Francesco Mazzotta, Hironoti Fijisawa, Atsuko Niwa, Chiaki Ishihara, Yumiko A. Takei, Masaaki Miyazawa. Genotypes at chromosome 22q12-13 are associated with HIV-1-exposed but uninfected status in Italians. AIDS, Vol.19, Issue 10, 1015-1024, 2005.

学会発表
Satoshi Miyata, Masaru Ushijima, Minoru Isomura, Hironori Fujisawa, Masaaki Matsuura. On the prediction of adverse effect of chemotherapy by haplotype blocks structure. American Association for Cancer Research, Annual Meeting, Anaheim, California, USA, 2005.4.20.
Minoru Isomura, Hironori Fujisawa, Masaaki Matsuura, Yoshio Miki. Construction of haplotype block of 507 candidate genes for adverse effects of cancer chemotherapeutics. American Association for Cancer Research, Annual Meeting, Anaheim, California, USA, 2005.4.20.

プレプリント
Hironori Fujisawa, Minoru Isomura, Shinto Eguchi, Masaru Ushijima, Satoshi Miyata, Yoshio Miki, Masaaki Matsuura. Identifying haplotype block structure by using ancestor-derived model with application to TAP2 gene (submitted).

遺伝子多様性解析グループ
http://www.ism.ac.jp/~eguchi/theme_genome_diversity.htm
癌研究会 ゲノムセンター ゲノム多様性プロジェクト
http://www.jfcr.or.jp/laboratory/gc/diversity/index.html
シンポジウム&アブストラクトHP:
http://www.ism.ac.jp/~fujisawa/workshop/bioinfo-stat-05.html

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

バイオインフォマティクスと統計科学
 2006年1月16日,統計数理研究所,参加者数:約60名

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石井 信

奈良先端科学技術大学院大学

磯村 実

癌研究会

牛嶋 大

癌研究会

江口 真透

統計数理研究所

大羽 成征

奈良先端科学技術大学

栗木 哲

統計数理研究所

竹之内 高志

奈良先端科学技術大学院大学

西井 龍映

九州大学

松浦 正明

癌研究会

宮田 敏

癌研究会