昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−47

専門分類

5

研究課題名

食孔分布パターン評価法に関する基礎研究

フリガナ

代表者氏名

セリ オサミ

世利 修美

ローマ字

所属機関

室蘭工業大学

所属部局

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

アルミニウムのように局所的に腐食を起こす材料では,食孔(腐食によって生ずる表面の孔)の分布パターンを定量的に評価することが腐食機構を解明する上で重要な解析手段の一つに成り得る。本研究では昨年度の研究結果を踏まえ,アルミニウムの食孔分布と合金成分及び処理環境との関係を調べ,金属材料腐食工学における食孔分布評価法を確立することを目的とする。


アルミニウムのように局部的な腐食を起こす材料では,食孔分布のパターンを定量的に評価することが腐食機構を解明する上で重要な情報を提供してくれる場合が多い。今回は工業用純アルミニウム1050を用い,環境条件を変えた場合に得られる食孔分布を「相互作用の最尤推定法」を用いて評価し機械的性質(引っ張り強度,伸び)との相関関係を求めた。その結果凝集型,規則型の食孔分布パターンは引っ張り強度にほとんど影響を及ぼさないが,伸びには若干影響を与えることがわかった。規則型より凝集型の食孔分布パターンの方が伸びに強い影響を及ぼした。
以上の傾向を明確に主張するには更なるデータの蓄積と整備が必要である。今後の課題としては定電流にて強制的にアノード溶解を起こし,食孔の発生,成長を固定することが是非必要と考えられる。



 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

第75回軽金属学会秋期大学講演発表予定(1988.11月)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

アルミニウム鉄合金の食孔分布パターンの評価を『相互作用の最大推定法』の手法を用いた結果,アルミニウム中に添加された鉄の量が0.32〜1.45wt%と増加するにつれてその食孔分布パターンは凝集型から規則型のパターン分布をする傾向があることが分かった。本年度は更にその手法を推進め,他の工学的性質に適用する。例えば,機械的性質(引張り強度,伸び,曲げ強度等)と食孔分布パターンとの相関関係を求める。この相関関係を確立するには,実験室レベルでも実地試験レベルでも,膨大な時間とデータが必要である。また,その解析には統計数理研究所との緊密な共同体制が是非必要となってくる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

尾形 良彦

統計数理研究所

種村 正美

統計数理研究所