平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−86

専門分類

9

研究課題名

顎顔面頭蓋形態の相対変異に関する研究

フリガナ

代表者氏名

オオツカ スミマサ

大塚 純正

ローマ字

所属機関

昭和大学

所属部局

歯学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

動植物において生体のある部位を基準としたときの他の部位との関連を適当な統計モデルで表わすことが多用される。ここでは,問題を特に,ヒトの頭蓋顎顔面を構成する各部位間の関連性の検討と,顔全体の特徴パターンを代表するような指標作成方法の構築に主眼をおいて研究を進める。さらに,歯科臨床の立場から,不正咬合の種類によって,これらの関連性や指標の間にいかなる差異や類似性がみられるかを検証する。


歯科矯正学の分野において、適切な咬合並びに側貌を獲得するためには、咬合の基盤となる顎顔面頭蓋の大きさや位置、バランスを知ることは極めて重要なことである。ヒトの顎顔面頭蓋の形態的特徴を表現する方法として、頭部X線規格写真(セファログラム)を用いてこれらを構成する各部の長さや角度について計測する方法が一般的となっているが、長さについては個人の顔の大きさが異なることや、顔面に関する多くの変量についてそれぞれ比較を行うのでは適切な情報を得るには不都合である。
そこで、今回、成長中の生態の全部または一部を基準として、成長系の他の部分との成長の相対性について記述する相対成長の手法(アロメトリー)を使って、ヒトの顎顔面頭蓋の成長パタンを検討することにした。ただし、このような試みは従来行われていないので、先ず成長の終了した成人についてアロメトリーが適用できるか検討することにした。
【研究方法】研究対象者として、昭和大学歯学部学生(男子46名、女子43名)を選択し、これらについてのセファログラムを資料とした。セファログラムについて顎顔面に関する9特性を設定し、これらの長さを測定した。次に、各部位と顎顔面全体の大きさの間の関連性を評価するために、回帰モデルなどの統計的手法を用いて吟味した。
【結果】ヒトの顎顔面を構成する各部と顎顔面全体の大きさの間にはかなりの関連性があることが分かった。また、相対変異係数について有意な性差は認められなかった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

日本分類学会にて発表の予定

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究は以下の手順に従って進める。
1)正常咬合を有する成人男女60名を対照群とし,反対咬合を有する下顎前突者,男女60名の合計,120名の側方頭部X線規格写真(セファログラム)を原資料とする。2)セファログラムをトレースした後,頭蓋底部,上顎部,下顎部の計測を行い,各部の基準となる変量を選択する。3)これら変量の諸量を求め統計的にその妥当性を検討する。4)顔面形態の特徴を代表する指標を作成し,正常咬合者と下顎前突者との差異や類似性を調べる。
5)従来,収集した類似データとの突合,比較分類を行う。6)歯科臨床応用を考慮し,既存の収集データを含めてデータベース化を試みる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大隅 昇

統計数理研究所

笠原 茂樹

昭和大学

柴崎 好伸

昭和大学

福原 達郎

昭和大学