平成71995)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

7−共研−5

専門分類

5

研究課題名

逆問題とその周辺

フリガナ

代表者氏名

コンノ ヒデトシ

金野 秀敏

ローマ字

所属機関

筑波大学

所属部局

電子・情報工学系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

25 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

近年,工学システムの内部状態の推定とその制御の高度化に対する要求がますます高まってきている。逆問題に関する成書が数多く出版され国際研究集会も盛んに行われているか,揺らぎの小さな系である場合が多く,また,純粋に数理的な興味に重点がおかれている場合がほとんどである。我々は複雑な実際的なシステムの解析を手掛けている多分野の研究者が集い「逆問題」をキーワードとして交流し,具体的現象を通じてそれを解く技術・知恵を探る同時に,「理論的基礎固め」を行い,来るべき時代にそなえる事を目的とする。また,この研究会を理論家と実験家との対話の場としても位置付けたい。


複雑な非線形システム等からの時系列信号を用いて、対象とするシステムの内部状態を推定する逆問題と応用および関連した話題についての共同研究を行った。共同研究内容は主として次に列記するとうりであり、活発な議論がおこなわれた。
( 1) 情報幾何の理論と応用の現状と展望、
( 2) 非線形確率微分方程式で記述されるシステムで確率密度関数から情報幾何の方法を用いパラメータを推定する方法 、
( 3) リーマン・リュビル積分とその逆問題の定式化と物理システムへの応用、
( 4) 気液2相流の差圧変動データからの流動状態推定法と情報幾何的関係式;
( 5) 神経回路網を利用したカオス・力学系の分岐図再構成の理論的方法、
( 6) 神経回路網を利用した原子力プラントの多変数モデリングと異常兆候診断法、
( 7) 神経回路網を利用したシステム同定における忘却則の有効性と規則の発見法、
( 8) 特異なフィッシャー行列を有するシステムの相転移現象とベイズ推定による評価推定誤差;
( 9) 非定常データの非線形変換法による沸騰開始点の推定法、
(10) ウイグナー変換やウェーブレット変換を用いたシステムの状態遷移の詳細同定とその工学システムへの応用;
(11) 放射線スペクトルのベイズ推定法の新しい方法と問題点;
(12) 統計的逆問題のベイス推定に関連した数値計算法の現状と展望;
(13) 多変数フィードバックシステムの統計的逆問題の原子炉雑音解析への応用;
(14) 工学システムに於ける異常兆候にたいする意志決定のモデル化等
[研究会の場合 開催期間:10月23日-10月24日 開催場所:統計数理研究所]


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

H. Konno " On the Nonlineaar Theory of Power Reactor Noise ",- Nonlinear Correction and Sub-Poissonian Statistics - To be submitted to J.Nucl. Sci. Technol. (1996)

金野秀敏 原子炉雑音の非線形理論と情報幾何 日本原子力学会 1996年 3月

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

甘利 俊一

理化学研究所

石川 眞澄

九州工業大学

上田 隆

日本原子力発電(株)

岡部 政之

(株)オプトピアン

片山 徹

京都大学

兼本 茂

(株)東芝

岸田 邦治

岐阜大学

北川 孟

豊橋技術科学大学

北村 正晴

東北大学

寒河江 雅彦

岐阜大学

鈴木 勝男

日本原子力研究所

武内 豊

(株)東芝

田村 義保

統計数理研究所

徳永 隆治

筑波大学

鍋島 邦彦

日本原子力研究所

林 光二

日本原子力研究所

原 啓明

東北大学

福西 宏有

(株)日立製作所

堀畑 聡

豊橋技術科学大学

森島 信弘

京都大学

文字 秀明

筑波大学

山田 澄

摂南大学

鷲尾 隆

大阪大学

渡辺 澄夫

東京工業大学