平成152003)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

15−共研−2027

専門分類

7

研究課題名

不正咬合患者に見られる時系列生体情報の統計数理学的検討

フリガナ

代表者氏名

ソウマ クニミチ

相馬 邦道

ローマ字

Soma Kunimichi

所属機関

東京医科歯科大学

所属部局

大学院医歯学総合研究科

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

11 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究は、東京医科歯科大学大学院咬合機能矯正学分野所蔵の不正咬合者および正常咬合者の
データを基に、主に多変量解析を用いることにより、咬合の成因に対する機能的因子の関与を
明らかにすることを目的として、現在に至るまで一連の成果を挙げてきている。
 本年度は、さらに詳細な、諸要素の相互関連性の検討のために以下の2つの検討を加えた。
1.?咬合状態と各種食品の「食べやすさ・食べにくさ」との関連性?
 食品摂取アンケート調査を用いて、不正咬合状態と各種食品の「食べやすさ・食べにくさ」との
関連性について、多変量解析を行った。資料として、本学歯学部附属病院矯正歯科外来を受診した
不正咬合患者40名と正常咬合者20名から得られた約60品目の食品の「食べやすさ・
食べにくさ」に関するアンケート、ならびにそれら食品物性値(食品テクスチャー)の実測値を
用いた。食品テクスチャーの計測にはタケトモ電気社製TENSIPRESSOR My Boy System□を用いた。
結果として、不正咬合者は正常咬合者と比べ食べにくいと感じており、不正咬合のなかでも、特に
反対咬合と開咬については正常咬合者と比べ有意に食べにくい食品が存在していた。それらの食品
テクスチャーに関して詳細に検討を行ったところ、食品テクスチャーの硬さと食べにくさの間に
相関が認められた。
2.?当科における顎関節症を伴う前歯部開咬上顎前突患者の下顎頭形態に関する臨床統計学的
検討?
 前歯部に開咬を伴う上顎前突患者には顎関節症状を訴えるものも多く、その病態を把握するため
に臨床統計を行った。対象は1997年1月から2002年12月までの6年間に東京医科歯科
大学歯学部附属病院矯正歯科外来を受診した顎関節症を伴う上顎前突開咬患者143名とし、同様
に対照群として上顎前突過蓋咬合症例108名を選択した。資料は、診療録、アンケート、
パノラマX線写真、側貌頭部X線規格写真ならびに顎関節断層X線撮影である。これらの資料を
もとに?顎関節における臨床症状と下顎頭の彎曲・変形との関連性についての調査?顎関節断層
X線撮影のある患者15名の下顎頭形態分析を行った。調査結果として、開咬症例では過蓋咬合
症例に比較してclickingならびに下顎頭彎曲が有意に多く認められた。また、年齢に関しても
形態変化は10代後半を境に有意に大きくなっていた。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1.齋藤壽彦、松原望、雨宮賢、久野昌隆、相馬邦道、咬合状態と各種食品の「食べやすさ・食べにくさ」
との関連性?食品テクスチャー測定と食品摂取アンケート調査を基に?、第62回東京矯正歯科学会、
平成15年7月17日発表
2.堀内洋輔、松原望、村本健、相馬邦道、当科における顎関節症を伴う前歯部開咬上顎前突患者の下顎頭
形態に関する臨床統計学的検討、第16回日本顎関節学会総会、平成15年7月10日発表

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

雨宮 賢

東京医科歯科大学

島崎 和夫

東京医科歯科大学

杉浦 成昭

日本女子大学

杉山 高一

中央大学

鈴木 佐知子

東京医科歯科大学

馬場 康維

統計数理研究所

久野 昌隆

東京医科歯科大学

松原 望

東京医科歯科大学

四方田 紳

東京医科歯科大学